化けの皮が剥がれてきた

化学反応をあたりまえに信じているところを

都合よく運命と摺り替えて重ねているところ

きれいな言葉でコーティングした

剥き出しの欲望を満たしたいと感じる心を

自分でもどうにもならないところ


皮肉で誤魔化せなくなった

言い訳に内的な理由から目を逸らすところを

都合よく外的な理由にこじつけているところ

つたない言葉でコーディングした

取り繕いようもなく回りはじめる無限ループを

自分ではどうにもならないところ


 (うすももいろの愛らしい

   あの花のような恋はあるのか?)

 (そらいろをした清純な

   映画のような恋はあるのか?)


手の施しようがない病巣に

たましいの深いところで踠いているところを

日に焼けた目で救いを求めて飛びつくところ

先人たちのコーチングか

遺伝子レベルの所作は繰り返される

しあわせならばそれだけでいいと言い募る声を

合わせ鏡をいだきあうまで





20201113

第95回 詩コン『恋』

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