静かな爆発 己を晒して

包み隠さず日の下にして

季節がめぐれば咲く花は

なんと上手に生きているのか


自分の蕾を見てみても

一向にほどける色がない

そもそも発芽をしているのかさえ

判らずにいるこの体たらく


おまえに瑠璃唐草の清純さ

山荷葉の花弁の涙はあるのか

問うたところで判らないのだ

わたしは咲いたことがない


加蜜列のような柔らかみ

鬱金香の無邪気さがあれば

少しはうまく生きられるのか

理想ばかりを摘み取っている


苛烈な光に立ち尽くす

日輪草の影は深く

火花のような眩しさは

わたしには荷が重すぎる


蓮華の強さも持てなくて

それでも無限に問い続けている

いつ咲くのかと

いつ咲けるのかと




20201029

第93回 詩コン『咲』

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