透明な哀しみを開け放ち星の浮いた空気を吸うと

風に枠を鳴らす日や結露に濡れる日々が

補修されていく様で

視界に色がつく様で

オン・オフだけでできていない

ぼくの揺らぎは癒されるのです


青白く沈んだ胸をひらいて星雲から来た波を浴びると

雪にしんしん冷える日や雨の檻に囚われた日々に

ほのかな光が差す様で

きみが訪ねてくる様で

カーテンだけでは寒々しかった

ぼくのこころは救われるのです


そう遠くない未来のために


この窓の出来事を誇れる様に

この景色をすべて愛せる様に

何枚ものいい絵を残せる様に

だいじに磨いていたいと思う


金平糖の淡い刺激を転がして

窓辺に立ったら両手を振ろう

笑えないかもしれないけれど

きみに向けてぼくはこう言う

「ごきげんよう」



200722

第80回 詩コン『窓』 佳作

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