このオフ! 危険!

リア……友……?

 シノに電話した。


 実力のない私がゲームオフの主催者をしたら、まとめ切れないと思った。


 するとシノからとんでもない言葉が飛んできた。


「リア友とモンハンすればいいじゃないですか?」


 いるかよ!


 あれ、ちょっと待って!


 私、友達、居なくない?


 シノや生主さんとか、オフ会で知り合った人。

 それ、友達か!?


 いや、シノ。

 こいつ今、『リア友と』って言ったよな?

 って事は、私はリア友じゃないという事だ。

 あくまで、キングのオフ会で知り合った人。


 がーーーーーん…………。


 じゃあ、元同僚の友人は!?

 こいつも、元『同僚』だぞ。

 学生時代からの幼馴染みとかじゃないぞ!


 ネコさんも既婚者。

 ただの息抜き要員の気が……。


 オフ会なんかしてるより、自分の交友関係を見直さなければならない気がする。


 だいたい、紗代がベルトの件で傷付いた時、私はどうした?

 隣で大笑いしたんだぞ?

 友達いなくて当前である。


 そもそも彼氏なんて出来たら、オフ会自体行かせもらえなくなるのではないか?


 やっぱり、彼氏はいいや。


 友達ねぇ……うーん。しばし悩む。


「もしもし!」


 元同僚に電話してみた。


「私たちって、友達!?」


「はぁ?」


 完全に重いメンヘラ女状態である。

「実はモンスターハンターのオフ会をしようと思ってるんだけど…」


「あぁ、俺、流行りのゲームに興味無いから」


 そうか、そう言えばこいつはレトロゲームマニアである。

 未だにファミコン愛用者だ。


「まぁ、でもたまにはいいか…やってみるよ」


「本当に?やったあ!」


 三日後、彼のPSPを買いに行く。

 しばらくして、レベルを上げたと連絡が入る。流石に、ジャンルは違えど元々マニアなだけあって難なくクリアしたようだ。


「よし、人集めようか!」


 オフ会を提案すると、同僚君はいい顔をしなかった。

 彼は基本人見知りで、尚且つ仲良くなると距離感がおかしいくらいべったりする。

 知らない人と会いまくるなんて狂気の沙汰。


「んじゃ、知り合いにうまい子がいるから、そいつ呼ぼうか!」


 奇しくも、シノと同僚君の愛車の車種が一緒だった。

 それを知った同僚君は、どうも車の話がしたいようであった。

 とにかく、自分の愛車を自慢したいのである。


 シノに電話。


「俺もまだ知り合ったばかりのモンハン仲間がいるっす!そいつら集めますわ!」


 シノ……天使だな。


「でもぉーオフ会に来るやつの大半はぁー出会い厨でぇー」


 同僚……湿っぽいな。

 なんだかんだで、これは楽しみにしてる時の態度である。

 めんどくせぇな。

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