カラオケオフ会の罠

カラオケオフ会1

 結局、帰りに一人で買い物をし、品物をコインロッカーに預け、最後に小さいオフ会に参加する事になった。


 自覚はないが躁転しているため、睡眠欲がない。気分がハイで、常に上機嫌なのだ。


 待ち合わせ場所のカラオケボックスへと向かう。


 出迎えたのは一人の男。

 受付をして、ここからフリータイム。

 人数は私を除き、男性五人。


 あれ?紅一点?まさか私が盛り上げるやつ?

 自信ねぇなぁ………。

 女性と居るより気楽でいいけれど。


 メンバーはこうだ。

 マイクを離さないマイク君。

 出迎えに来た優しそうなウサギ君。

 始終ジョジョ立ちのナルシ君。

 他二人はモブ1、モブ2でよろしい。


 主にマイク君が歌い、ウサギ君が女子の役割を果たし、ナルシ君はかっこいいポーズでカルピスソーダを飲む。

 モブは二人で会話している。


 私はウサギ君に聞いた。


「皆んな知り合い?」


「ナルシと俺は初対面だけど、マイク君とモブ二人は友達同士だってさ」


 あぁ、なるほど!

 もしかしたら、マイク君はギャラリーが欲しいタイプか?

 だってモブ君達全く聞いてないし、新参の私たちに絡もうともしない。

 まぁ、分からんでもない。

 マイク君、あんまり上手じゃないからねぇ。適当にギャラリー連れてこいってなモンでネットで私たちが見繕われたのかもしれん。


 オフ会自体は順調に進んだ。

 ウサギ君は私と同級生、ナルシ君は二十歳、マイク君達は同級生で二十三歳である。


 あの会社に務めてるとか、あそこの飯はまずいとか、何気ない話で盛り上がった。


 違う。

 違うんだよ!!!

 さっきのメンヘラオフ会とは!!

 居心地も!!!雰囲気もっ!!


 Mさんのせいだろうか…。

 時間が経ち、更にMさんに対する恐怖心が芽生えて来たよ。

 よく考えると強烈な印象だった。

 そうだ、メンヘラの掲示板どうなってるかな?


 Mさんと約束を取り付けた掲示板を覗くと…………いた!


『運命の人に出会った実感(ハアト』


 うわー………大学生君、うわー……なんかごめん。

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