10話 ジェンガ

今朝のスパイダーハプニングから5分後。俺達は絶賛朝ごはんを食べている。

今日の朝飯は卵とベーコンの炒め物、わかめと豆腐の味噌汁、白ご飯である。霜宮が作る飯はなんでもうまいが今日はより美味く感じる。何故かって?そりゃー今日は海だからだ。海。そう!海!青い海!白い砂浜!沢山のおっぱ○!...おっと、最後は俺の私欲が出てしまった。てへっ!

とにかく俺は今日という日を楽しみにしていたわけで、それは霜宮も同じようだ。顔がやけにニヤついている。霜宮も楽しんでいるんだろうなぁ〜。なんかそう考えると照れるな〜。

なんて思っていると霜宮が話しかけてくる。

「神崎さんやけにハイテンションですね?」

「そりゃー今日は海に行くんだ!楽しみでならないね!(それに霜宮もいるんだしな)」

「え?後半聞こえませんでしたがなんと仰ったんですか?」

「いや、なんでもない。それより早く食べて行こうぜ!」

「張り切りすぎですよ。バスは11時からです。」

「そうだった。今何時かな?」

「8時50分です。」

まだ結構時間があるな。なんかしたいが、

「なあ、霜宮」

「どうしましたか?神崎さん?」

「あと1時間ちょっと時間あるが何かしたいことあるか?」

俺は聞いてみる。といっても俺の家にはあんまり霜宮が好きそうな道具はないんだが。

「おや?あれはなんですか?」

そう言って霜宮が指した場所には長方形の箱が置いてある。

「あぁーあれか。あれは前友達が置きっぱなしにしてたジェンガじゃん。 ジェンガで遊びたいのか?」

「はい。ジェンガという遊びをしたことがないので。ルールは知ってますが。」

みんな知っているであろう玩具、ジェンガ。組み立てたら1番上のブロック以外のブロックを1つづつ取って上に重ねていくシンプルかつ楽しい遊び。

「よし。ならこれ食って洗いもんしたらやるか!普通のジェンガじゃ楽しくないから罰ゲームでもつけないか?」

「いいですよ。そっちの方が緊張感も出て楽しそうです。ですかもし神崎さんが勝ったとしても命令の限度はお守りください。例えばレイ○したいぜ!とかここで1人おな○ーして

俺のオカズになりな!とか。そんなのはダメですよ?」

「そんなことしねぇーよ!というか今飯食ってんだ!変な事言うな!」

...全くこいつは。

それからご飯を食べて洗い物も終わりジェンガも組み立てた頃。

「よし。それじゃあ霜宮から取っていいぞ。」

先行は霜宮から始まったジェンガ対決。

「分かりました。では弄らせていただきますね。」

何言ってんだこいつ?

まずは3段目の真ん中を取る霜宮。一切揺らさずに取る。

「次は神崎さんの番ですね。ここで倒してくれても構いませんよ?」

「ここで倒すほど俺も馬鹿じゃないさ。

よし、あとが辛くなりそうな上の方の端を取るか。

「中々やりますね。しかしそんな小細工では私は倒せませんよ?」

そういうと霜宮は俺がとった逆側のブロックを器用に取る。それから互いに譲らない交戦を交えてとうとう下の方が危なくなってくる。これは触ったら倒れるな。

それでも何とか取った俺だが、それは霜宮も同じこと。すぐに俺の番になる。

くそ!取れるとこがねぇー!

こうなれば勝負に出るしかないな。

「ここだァ!」

... ... ... ガッシャーーーん!!

「ちくしょー!」

ブロックは取れたのに抜いた瞬間倒れた。

「どうやら私の勝ちのようですね?それでは神崎さん。私から命令しましょう。

私の命令は。- 今日はいっぱい楽しませて下さいね?」

「え?」

思ってもなかったお願いに理解が少し遅れる。そしてそれを理解した途端妙に恥ずかしくなってくる。

「お、おう。任せとけ?」

「ふふ。なぜ疑問詞なんですか?」

「いや、そのー。なんと言うか」

すげー恥ずかしい!なにこれ!やっば!そんなこと言われるなんて思ってなかったのよ!

霜宮の顔をバレないようにチラ見する。

霜宮は勝ち誇った顔をしてこちらを見ていた。

くそ!してやられた感はあるが嬉しいな!

現在時刻9時20分。まだ少し時間がある。

「俺荷物のチェックしてくる!」

照れ隠しのつもりで俺は残り時間を荷物チェックに使うことにした。ついでに顔も洗っとこうかな。

そう思い、俺は洗面所に向かうのであった。

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俺のラブコメが壊れてる件について。 テンボー @TENBO

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