9話 蜘蛛
起きたらなんと8時だった。
あんな事件が起きてから2時間ほど寝ていたらしい。顔でも洗おうと洗面台に行くと目ん玉ドッキリハプニングが起きた。
「霜宮!すまない!これは事故だ!俺は決して見てない!見てないぞ!!」
「....とうとう襲う日が来てしまいましたか。海に行くからと言って興奮する気持ちは分かりますがいきなりだなんて...それにお風呂から上がった女の子のもちもちな肌を見て鼻の下3mくらい伸ばすだなんて...」
そう。俺は洗面台に行くとおっパイを露にした霜宮とでくわした。..というか3mって発想ぶっ飛んでるなw
「待ってくれ!襲う気なんて無かったんだ!これは事故。そう!事故だ!俺はただ顔を洗おうとしただけなんだ!」
「ふふ。知ってますよ。ただからかってみたら上島さんの目ん玉と金玉が同時に入れ替わると思いまして」
「入れ替わるってどういうことだよ!想像もできんわ!というかからかってくんなよ!まじで目ん玉飛び出ると思ったわ!」
「あらあら。それは失礼プしました。
...そろそろ出ていってくれませんか?」
「おっと、これはすまない。」
これ以上は俺の理性が保てなくなりそうなのでツッコミはせずにその場を離れる。
もうキッチンで顔を洗おうとキッチンに向かうと、俺はまじで心臓が止まりかけた。
...蜘蛛だそれもビックサイズ。ビックマックのLサイズの箱よりもでかい蜘蛛だ。アシダカグモだろうか。
俺は蜘蛛がこの世で1番嫌いな生き物である。
どれくらい嫌いかといえばでかい蜘蛛を見れば小さなシミから少しでかいシミとかが全て蜘蛛に見えてしまうくらいに。だから俺は蜘蛛に関する知識を蓄えている。そのおかげもあって蜘蛛を冷静に対処する。
まず蜘蛛の掴み方。平べったいとこにいたら人差し指で頭を押さえる。それからケツの方から親指を入れて人差し指の真下に親指を置く。そうすれば蜘蛛は動けなくなるうえにこっちは噛まれずにすむ。
そこで俺は気付く。俺、蜘蛛触れねーわw
なんのために蜘蛛の知識を蓄えたんだ!これじゃ宝の持ち腐れじゃねぇーか!
どうしよう。動かれたら確実に夜眠れなくなる。誰か助けて!僕もうチビっちゃう!
「どうしましたか?神崎さん?」
「きぇぇぇー!!」
「...どうしましたか?」
「おぉー霜宮か。脅かすなよ。...霜宮、あのバカでかい蜘蛛が見えるか?」
「まぁ。大きいですね。神崎さんのち○この1.5倍はありそうです。」
「いちいち俺の体で例えんなよ...それより霜宮、蜘蛛は平気か?平気ならこの蜘蛛を安らかに眠らせてくれ。」
「おっと、いけませんよ神崎さん。生き物を殺すだなんて1番しては行けません。それに蜘蛛は何もしなければ向こうから襲ってくることはありません。ほっておきましょう。」
「待ってくれ!お花畑に連れていかなくていい!しかし自然に返してあげてくれ!まじで蜘蛛は無理なんだ!このとおり!何でもするからぁ!」
「全く。男らしくありませんね。いいでしょう。約束。ちゃんと覚えておいてくださいね?」
「おう!何でもする!ありがとう!」
それから霜宮は蜘蛛を丁寧に掴んで外にある庭に逃がした。
あの蜘蛛も幸せ者だな。あんな優しい美少女に触られるなんて。それにしても俺ってば情けねー。霜宮に幻滅されたかもな。
「霜宮、なんかごめんな。その、なんというか...」
「いいえ、構いませんよ。これで神崎さんの弱点を知れたので。また新しいいじりが思いつきました。」
「頼む!それだけはやめてくれ!」
「ふふ。冗談ですよ。流石にそんなことはしません。」
俺は改めて思う。霜宮は人の事をちゃんと見ているなぁーと。俺に気を使ってくれたのだろう。流石は容姿端麗の才色兼備だ。
よし!ここまで霜宮が気を使ってくれたんだ!海では絶対に霜宮と楽しむ!
ふと時間を見ると、8時30分だった。朝ごはんには少し遅い時間だが昨日予め作ってくれていた霜宮のご飯を温める。そして俺はふと思う。この生活がずっと続けばいいのになぁ〜と。
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