エピローグ1 俺が抱く感情

次の日。俺は休日(夏休み)にしては早い時間に起きていた。

なんでかって?寝れなかったんだよ!分かるか?俺はきのう楽しみの反面正直怖くもあったんだ。もし俺と霜宮が海で一緒にいる所を見られでもしたら、もしそのせいで俺はいいとして霜宮がいじられたりいじめられたりしたらどうしようかって。

別に俺はクラスでいじめられてはいないが結構避けられている。

友達こそはいるのだが俺が読んでいるラノベはとにかく内容が純粋ではない。

まぁそのせいで男子にからかわれ、その男子に思い切り怒鳴ったら嫌われる羽目になった。

でもそんな俺に興味を持ってくれたのがクラスで唯一の友達。中尾俊介だ。

彼は人付き合いが俺よりはあると思うがあまり無い、いわば引っ込み思案のオタクさんだ。俺と性格が似ているから話が合うしいつもいると楽しい。

でももし俺が霜宮と一緒にいたら、その噂は学校中に広まり、俊介も俺と関わらなくなるかもしれない。...ん?俺と俊介の関係薄いね?

自分の髪はもっさもさだけど!

と、軽い現実逃避的な事をしつつまだ寝息を立てている霜宮の顔を見る。

いつ見ても美しいな。

めちゃ長い睫毛。

作り物と思わせる整った顔立ち。

これはいわば1億人に1人。日本に1人しかいない素晴らしい顔だ。そんな美少女が俺の家にいるなんてなぁー。幸せだぜ!

ふと時計を見るとなんとまだ6時前だった。流石に早く起きすぎたかな。

いや。霜宮が起きるまで霜宮の顔でも見とくか。...って何考えてんねん!

これ以上霜宮の寝顔を見ていると理性が壊れそうなのでとりあえず家を見渡す。

前までは床に少々目立つホコリがあったのに今は何も無い。

俺が風呂に入っている時間などを使って掃除してくれているのだろうか?

ほんとにありがたい。

そしてまた、俺の心臓が早鐘を鳴らし始める。一体なんなんだ?この感情は。

そして俺はこの気持ちを誰にも悟られないように、(霜宮しか居ないんだけど)そっと布団に潜ってもう一度眠ることにした。

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