第22話 夜

中西と杉山が家に来た夜、俺はあることを考えていた。


俺はベッドに横たわって天井を見つめている。


「そういうことだったのか」


中西がいじめられていたことを思い出してそう呟いた。


あんなにいじめがエスカレートしたのは相談相手がいなかったからだと思う。両親が二人ともいないとなれば相談相手が限られてくる。学校の教師や友達。しかし中西の場合は友達という選択肢は除外されるだろう。


元々仲が良かった友達がいじめの犯人だからな。


そう考えるとあいつはどれだけ辛い思いをしたのだろうか。


「くっそ」


俺は一人の空間でそんなことを呟いた。


俺は中西と出会って本当に良かったのかもしれない。


俺と出会ってなかったら中西はまだいじめられていただろう。


「転校しよっかな」


俺は冗談交じりにそう言った。


転校して中西と同じ高校に行こうかと思った。別に好きになったとかそんな理由じゃない。けど何故かあいつのことは俺が守ってあげたいと思った。


まあそんな簡単に転校なんか出来ないが。


自分の考えが可笑しくてつい笑ってしまう。


「アホだな俺は」




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