第19話 何で家に来るんだよ

停学して一か月がった今日、一通のメールが俺のもとの届いた。


『龍星さん! 家に行ってもいいですか?』


そんな内容のメールだ。今日が休みということもありそんなことを言ってきたのだろう。


「何で家に来たいんだよ」


俺は呆れながらもそう呟いた。


俺は今の言葉をそのままメールで中西に送る。


すると一瞬で既読がつき返信がきた。前々から思っていたが中西と連絡を取っている時毎回既読が早い。


『とりあえず行ってみたいんです!』


そんな答えになっていないメールが送られてきたと思えばまた、中西からメールが送られてきた。


『私龍星さんの家知らないんです。だからどうすればいいですか?』


「知るかぁ!」


俺は思わずそのような声を上げてしまう。


『俺の家が分からないのか~。残念だったな』


正直俺は、家に人を呼んだことなどない。だから全く慣れていない。ようするに来ないでほしいのだ。


だから今のようなメールを送った。


しかし......


『もしよければ龍星さんと駅で待ち合わせをしてそこから一緒に龍星さんの家に行けたらなと思いまして』


「めんどくせっ」


またしてもメールの内容を見てそんな声を漏らしてしまう。


俺は猛スピードでスマホに文字を入力し返信した。


『何で俺がそんなことをしなきゃいけないんだ!』


こんな内容だ。


「全くめんどくさい女だぜ」


俺は痒くもない首筋を掻きながらそう言った。


ふと俺はスマホに視線を移す。メールが来ていないかの確認だ。


しかし珍しいこともあるようでまだ中西から返信が来ていない。


正直言いすぎたかと思い始めた矢先に一本のメールが入ってきた。


中西かと思いスマホの画面を確認した。


すると......


「な、何でこいつからも......」


俺は驚きを隠せずそんな言葉を漏らしてしまう。


『龍ちゃーん! 今から君のホームに行っていい?』


そのようなメールの差出人は俺と同じクラスの杉山だった。


「何でこいつが俺の連絡先知ってんだよ」


そんな独り言をぼそりと呟く。


『お前中西と一緒にいるの?』


俺は中西と言っていることが全く一緒なのでそう訊いてみた。


するとこいつも既読をつけるのが早く、すぐに返信が来た。


『いないけど。何で?』


この文からすると杉山が嘘を吐いている感じはない。


一緒にいないのに一緒のことを言うとか何か凄い気がする。


俺は仕方なくこう返事した。


『分かったよ。で、お前俺の家知ってんの?』


数秒でメールが返ってくる。


『知ってるよん!』


何で知っているかは謎だが俺はあることを思いついた。


『お前駅まで行って中西と一緒に来てくれ』


そう送ると意外な返事が返ってきた。


『了解!』


そんな短い文だけだ。もっと中西と一緒に来る理由を色々訊いて来るかと思ったが何の疑いもなくオッケーしてくれた。


俺は中西に再びメールを送った。


『お前駅に行け。そこに杉山がいる』


そう送るとまたしても意外な返事は帰って来る。


『了解です!』


中西も杉山と同等に一言で返してきた。


駅に杉山がいる理由とか訊いて来ると思ったが中西も何の疑いもなくオッケーしてくれた。


「やっぱあいつら一緒にいるんじゃねえの」


俺はそんな独り言を呟いて二人が来るのを待つことにした。


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