第8話 めんどくさい女
桃花という女子高生を助けてから数日が経った。
あれから俺はめんどくさい事に巻き込まれている。
そのめんどくさい事というのは......。
「龍星さん! おはようございます!」
朝、俺が電車に乗ると必ずその
「何で毎回毎回お前はいるんだよ」
俺は少し怒ったようにそう言った。
しかしその
「龍星さんと電車で会えるなんてラッキーだな〜」
その
ラッキーと言っているが、絶対俺と一緒の電車に乗るために時間を合わせている。
「離れろ。女」
俺がそう言うとその
「女じゃありません! 桃花です!」
「お前なんか女でいいんだよ」
俺はややきつい口調でそう言ったが、その女は『にひひ』と笑みを浮かべた。
何が面白いのか全く分からない。
程なくして目的の駅に着いた。
俺は電車を降りて学校に向かう。
すると後ろから肩を掴まれた。いつもなら警戒するものの、今はもう誰か分かっているので警戒する必要はなかった。
「何なんだよお前は」
俺は後ろを振り向きながらそう言った。
そこにはさっきの女の姿がある。
その
「行ってらっしゃい龍星さん!」
「うっ」
流石の俺でも可愛い女子に『行ってらっしゃい』とか言われると照れてしまう。けど、顔には出さずにそのまま学校に向かった。
こんな風に『行ってらっしゃい』と言われたのは今日が初めてじゃない。助けたあの日から毎日のように言われている。
こうして俺のちょっとした朝が終わった。
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