第4話 まさか彼女にあんな秘密が
学校が終わり、俺は歩いて駅に向かっていた。
「はあ。暇だ」
そんな独り言を呟きながら。
俺は駅に向かう途中にある細道を必ず通る。その細道を通った方が駅に近いからな。
俺はいつも通りその道を通った。
しかしいつもと違う光景が俺の目に映った。
ヤンキー3人組と昨日俺に携帯の番号を聞いてきた女性が道を塞いでいた。
そんなことをされたら俺はここから先を通ることが出来ない。
だから俺は仕方なく口を開いた。
「そこ邪魔なんだけど」
俺の声が聞こえたのかそこにいた奴らが全員こちらに視線を移した。
そして一人のヤンキーが口を開く。
「ああ? 何だてめえは」
ガンを飛ばしながらそう言うヤンキー。
俺もそれに対抗すべくガンを飛ばして口を開く。
「だから邪魔だって言ってんだよ」
「んだとてめえ!」
次の瞬間ヤンキー3人が俺の下まで歩み寄ってきた。
するとヤンキー達が元々いた場所に桃花という女性がいた。恐らくヤンキー達で隠れていたのだろう。だから気づかなかった。
しかしその桃花という女性は膝をついて目には涙を浮かべていた。
それを見て俺はあることに気づいた。
「そういうことか」
「ああ?」
小さい声量で言ったつもりだったがヤンキー達に聞こえていたらしい。
「あんまそういうことはすんなよ」
俺はヤンキー一人の肩をぽんと叩いてその場から去ろうとした。
しかしヤンキーの一人から肩を掴まれた。
「ちょっと待てよ」
俺の方を見てそう言ったヤンキー。
しかし俺は肩に置かれた手を振り払いその場を去ろうとした。
流石にヤンキー達もこれ以上俺に構ってられないのか俺のことは無視してくれた。
そうやって無事に障害物を乗り越えることに成功した。
俺はそのまま電車に乗り家に帰宅した。
その途中俺はある考え事をしていた。
——あれはやっぱり......
まあ、そんなことを考えても俺には関係ない。
しかしどうしてか、俺の口角が少し上に上がった。
「やっと暇つぶしが出来るかもな......」
俺は独り言を呟き笑った。
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