第3話 再び彼女と

学校が終わり俺は駅に向かった。


いつもと変わらず一人ぼっちで、いつもと変わらない時間の電車に乗る。


改札に電子マネーをかざした。すると『ピッ』という音が鳴る。もう聞き飽きた音だ。


そんな音を聞いて俺は電車を待つ。


全くいつもと変わらな過ぎて退屈だった。


そんな時嫌な偶然が起きた。


「あ」


俺の横に現れた女性を見て思わずそのような声を漏らしてしまう。


すると相手も俺と同じような反応をした。


そう、俺の横に現れた女性は今日朝、電車で会った女性だった。


しかし彼女は朝とは違い数人の友達と一緒にいた。


俺と彼女が驚きながら見つめ合っていることを不思議に思ったのか一人の女性が口を開いた。


「この人桃花ももかの知り合いなの?」


そんなことを言った一人の女性。


その質問に答えるべく桃花と呼ばれた女性は口を開いた。


「知り合いではないんだけど、朝ちょっと......」


すると桃花という女性の言葉を遮るようにさっきと同じ女性が口を開いた。


「何かあったんだ~。へぇ~。結構この人イケメンじゃない」


そんなことを言ってきた。


自分で言うのも何だが、俺の顔はイケメンの部類に入ると思う。


決してナルシストではない。よく言われるからそう思っているだけだ。一応最初の頃は同じ学校の奴らにもイケメンと言われていた。今は全く言われないが。


そんなことを考えていると俺のことをイケメンと言った女性が俺の下まで近づいてきて口を開いた。


「ねえ、携帯の番号教えてよ!」


少し重心を低くして俺の顔を覗き込むようにしてそう言った。


そのため少し胸の谷間が目に入る。高校生にしてはなかなか立派なものだった。


しかし俺はすぐに谷間から視線を逸らしその女性の目を見た。


そして口を開く。


「興味ない。離れろ」


俺はやや強い口調でそう言った。


すると俺の目の前にいた女性はちょっと驚きながらも離れていった。


桃花という女性もこの状況に驚きを隠せないでいた。


俺は桃花という女性と一瞬目が合ったが何も言わずこの場から離れた。


するとその瞬間、桃花という女性が俺に向かって言葉を発した。


「あの! た......」


しかしまたしてもさっきと同じように友達の一人が桃花という女性の言葉を遮った。


「行こうよ桃花! あんな人ほっといて」


そう言って女子軍団はその場から離れて行った。


どうやら他校の奴からも俺は嫌われたらしい。まあどうでもいいが。


しかし朝はまじまじと見てなくて気づかなかったがあの制服は第11高校の制服だ。


11高校は県内でも5本の指に入るくらい偏差値が高い学校だ。


まさかそんな学校だったとは流石の俺でも驚いた。


ちなみに俺は第3高校。


ごく普通の偏差値でごく普通の生徒しかいないつまらない学校だ。


そんなことを思っているとある疑問が頭に浮かんだ。


別れ際の時桃花という女性は何を言おうとしていたのかという疑問だ。


まあ俺には関係のないことだからどうでもいいが。


そう思い考えるのを速攻辞めた。


そんな少し変わった放課後を過ごし、俺は家に帰宅したのであった。


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