第3話 魔女との修行
木に囲まれた森の中で俺は今、シフィーと二人で魔法の訓練を行なっている
弟子になって数日が過ぎた
俺は右手を前に出して叫んだ
「
だが、最初に見たような炎は出ないというか出る気配すら無い...
横にいたシフィーが声を出した
「違いますよ!みいくん!もっと手の力を抜いて下さい!後、体の中心から腕に伝える感じですよ!」
俺の呼び方がいつの間にか…みいさんからみいくんに変更された...
進歩?なのだろうか...
俺は上げていた右手を下げる
「こんなん出るわけないだろ...」
「出るんですよ!みいくんには魔力がありますから!」
「現に今出ないんだよ...」
「後は想像力が大切です!炎をイメージですよ!炎を...」
「想像力か...」
「じゃあ、みいくん!一度深く深呼吸をして気を落ち着かせてください!」
「わかった...」
大きく手を広げて顔を上に向け清々しい森の空気を吸った
腕の力を先程より弱めて前に右腕を差し出しす
「
すると、手に何かが流れ込んでくる感覚を感じた
そして、そのまま手に力を少し加えた
突然俺の前に大きな炎の球が現れた...
恐らくファイアボールだろう...だが、ローブの男が見せたファイアボールより数倍は大きかった
それを視認した後間髪入れずに大きな炎が俺の手から離れていく...
やばい!このまま木にぶつかれば火事になる!
俺が焦っていると横からシフィーの声が聞こえた
「
先程放たれた炎を魔法の壁が防いでいるがすぐにピキっとひびが入る音がした
そして、次の瞬間その壁は砕けてしまった
もう一度シフィーは魔法を唱える
そして、2枚目の壁にもひびが入りながらも炎を止めた
すると、シフィーは膝に手をついて息を荒げていた
「な...ん...ですか?今の...」
俺は自分の手のひらをまじまじと見つめた
「いや、俺にも分からん...」
シフィーは息を整えて焦った顔をしていた
「これは...私の想像より上を行っているかもしれません...」
すると、シフィーは俺に向けて人差し指を向けた
「いいですか?これから魔法を使うときはなるべく抑えて使うようにして下さい!」
「威力は頑張って抑えるようにするけど、なんで抑える必要があるんだ?」
「威力的に危険ということもありますが、このまま魔法をこの力のまま行使し続けると体が魔力に耐えられなくなるかもしれないので」
「何故耐え切れないんだ?」
「みいくんは先程初めて魔法を使いました...慣れないうちにあんな高火力の魔法をバンバン打つと体が危ないと思います...慣れが大切なんです!徐々にです!」
シフィーは両手でファイトのポーズを作った
「だから...だんだん力を上げて行きましょう!」
「ああ、わかった...」
そして、俺とシフィーは魔法の練習を終わりにして、そのまま家に帰った
家に帰った後俺が深くソファーに座っていると俺の前にカチャンというガラスの当たる音がした
机の方を見ると温かいお茶が置いてあった
俺はお礼を言ってからティーカップを手に取って飲む
独特な味がした...
「こ...この味は...」
シフィーはティーカップを持ったまま笑顔で答える
「ドクダミ茶です!」
「やっぱりかー!?」
シフィーは心配そうな顔で首を傾げる
「苦手でしたか?」
「ああ、この独特な匂いや味が苦手で...」
シフィーは持っていたティーカップをカチャンと机に置いた
「ドクダミ茶は良いんですよ?デカノイルアセトアルデヒドには殺菌作用がありますしドクダミは栄養満点です!だから是非飲んで慣れて下さい!」
「デカイノイルア...?なんて言った?」
よく噛まずに言えたな...
すると、シフィーはふいっと斜め下を向いた
「みいくんには健康でいて欲しいですし...」
「何か言ったかー?」
「何でもないです...」
その後俺はシフィーにドクダミ茶をおかわりさせられた。
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