第五章 冒険+ダンジョン=男のロマン!!
第一話 ダンジョンに潜ろう!
「ほほう、これがダンジョンか……」
「ただの洞窟にしか見えないんですけどね」
「ですが入口はきちんと整備されてますからちゃんとしたダンジョンですよ♪」
優之介、斬波、レミリアの三人は街の近くにあるダンジョンに来ていた。彼ら以外にも冒険者の姿がちらほらと見える。
「ダンジョン、なんてロマン溢れる言葉なんだ!」
「実は私、ダンジョンは初めてなんです。楽しみですね♪」
「おいおい、全員初挑戦なのに緊張感がねぇな……」
「王国最強レベルのシバさんがいれば問題ありません♪」
「レベルはあっても、経験は全然積んでないからな! それにしてもよく親父さんが許したよなぁ……」
きゃっきゃとはしゃぐレミリアをよそに優之介と斬波は遠い目をしながら今日までの出来事を振り返った。
――――――――――――――――――――
優之介とレミリアがデートした次の日、野郎二人はお金稼ぎの為冒険者ギルドに足を運び、依頼を受けたは良いがこの日もレミリアが会いに来て同行すると言い出した。街の外で自由行動ならともかく依頼の時まで同行するのは流石にまずいので、レミリアは街に置いて野郎二人で依頼を遂行した。
別れる時、レミリアはとてもぶんむくれていたが逆にその顔が可愛いかったので、野郎二人はその時のレミリアの表情を心のアルバムに保存しておいた。ジュノンがスマホを返してくれていたら間違いなく写真を撮っていたであろう。
依頼を終えた次の日の朝、レミリアが安心亭にやって来たと思ったら、胸を張って豊かな双丘を揺らしながらGランクのギルドカードを優之介と斬波に見せつけてきた。
ギルドカードを見るふりをしてレミリアの双丘を見てた野郎二人は、背後からコネリーに「どこ見てんの!」拳骨を喰らい悶えるが、だって仕方ないよね……、ゆさって揺れたんだもん。
どうやらレミリアは野郎二人が依頼を受けている間に冒険者登録をしたようだった。年齢制限さえクリアできていれば誰でも冒険者になれるので問題はないが、彼女はソヘル商会のお嬢様である。冒険をする必要がないご身分なのにどうしたの? と優之介がレミリアに質問すると彼女はこう答えた。
「私は言ったはずです、お二人の旅に同行すると……。因みにお父様には了承してもらいました。将来の商会は弟が継ぎますし何も問題ありません!」
「ウラドさんが納得すると思いませんが……」
「はい、最初はお父様も反対していました。けれど、手頃な大きさの石を片手に私だって戦えることをアピールしたら許してくれました♪」
「「それ脅してるだろ……」」
レミリアの説得? あって彼女は冒険者として自由になれる権利を勝ち取った。後は優之介と斬波次第らしい。
晴れて冒険者になったレミリアが早速冒険に出かけたいと言い出したので、野郎二人は彼女の行動力に呆れながらも渋々了承し、この日は薬草や素材集めの依頼をこなしながらレミリアの特訓に付き合った。
最初は剣を振っていたレミリアだったが動きがぎこちなかったので、違う武器で戦ったほうが良いだろうと判断した斬波はレミリアと優之介を連れてガリアス工房に訪れ、レミリアに自分に合いそうな武器を選ばせた結果、鞭とレイピアが彼女の身体に合っているとわかった。
斬波は早速レミリアに鞭、レイピア、少し大きめのバックラーをプレゼント、早速レミリアを安心亭の中庭に連れて行き、そこで優之介と一緒にへとへとになるまで特訓させた。優之介は巻き添えになったのだ。
優之介とレミリアが斬波にしごかれた次の日はいつぞやのピクニックのように、街の外に出て対人戦や対モンスター戦の特訓をした。しかし、優之介とレミリアは筋肉痛でまともに動けなかったので軽めの訓練になるかと思いきや……。
「今日は筋肉痛を治すための訓練だ、筋肉痛を治す為には痛い部分を動かすのが一番だ♪」
斬波は満面の笑みでそう言い放ち、優之介とレミリアは顔を青ざめる。結果、筋肉痛は少し治ったが、結局この日も普通に特訓させられたのだった。
――――――――――――――――――――
そして本日、筋肉痛の痛みが若干残ってる優之介とレミリアだったが、いざダンジョンで実戦と言う運びとなった。因みに斬波も同じように特訓していたが筋肉痛にはなっていない、なんでさ。
「さあ、早速ダンジョンに入りましょう!」
「よし、それじゃあ今日の予定を確認するぞ。このダンジョンは三十階層になっているらしい、今回は行けるところまで行って、余裕を持って撤退するぞ。いいな?」
「「はい!」」
「フォーメーションは優之介が先頭、レミリアが優之介の左側、俺が後ろから二人の援護で行こう。今回は実戦だから俺も遠慮なしに暴れるからな」
斬波の号令で優之介とレミリア、そして斬波はダンジョンへと入って行く。
そして数分後、その様子を背後から眺める集団が三人の後を追うようにダンジョンに入って行ったのだった……。
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