第二章 自由に修行と素材採取したら直ぐに脱ルーキーできた件
第一話 野郎二人の冒険者デビュー
優之介と斬波は今現在、冒険者ギルド内のホールにいる。ホールは冒険者達で賑わっており、酒場で酒盛りをしている人もいれば掲示板の前で何やら話し合っている人もいる、日本にいた頃の冒険者ギルドのイメージそのまんまの雰囲気に野郎二人は、内心テンションが上がっていた。
「ラノベで読んだイメージそのまんまだ、すげぇ……」
「ラノベ作家は異世界に行ったことがあるのかってぐらいのイメージ再現度だな……」
二人で雑談を交わしながら優之介と斬波は受付カウンターの前に立つと、とても綺麗な受付嬢が丁寧に対応してくれた。
しかしあれだ、この受付嬢といい、ソフィーリアといい、タマキといい、クラウディアといい、この世界の女性は美女レベル高い。日本にいたら芸能界から引っ張りだこレベルだと野郎二人は思った。
「おはようございます、冒険者ギルドアースカイ王国王都本部へようこそ♪」
「あ、おはようございます」
「おはようございます」
「本日はどのようなご要件でしょう?」
「冒険者登録をお願いします」
「俺も同じく」
「はい、それではこちらに必要事項をご記入ください」
受付嬢が優之介と斬波に一枚ずつ紙を渡してきた、これが冒険者登録用紙らしい。
しかし、登録用紙に書かれた文字を見て優之介と斬波は固まってしまった、書かれている言語が未知の言語だったからである。
未知の言語には驚いたが、それよりも野郎二人が驚いたのは初見の文字が何故か読めたことだ。
「(おい、優之介! 見たことない言語だけど何故か頭に入ってくるぞ!!どうなってんだ?)」
「(俺だって聞きたいですよ! とりあえず書いちゃいましょうよ!!)」
とりあえず優之介と斬波はそれぞれ必要事項を登録用紙に記入して受付嬢に返した。
野郎二人から用紙を受け取った受付嬢は記入漏れがないか確認すると次の手続きに移った。
「用紙に問題はありませんでしたので次の手続きに移ります、貴方達の血を一滴こちらの水晶に垂らしてください。貴方達の個人情報が登録されるとギルドカードが発行されます」
「(漢字で書いたのに問題ないってよ……)」
「(どうなってるんだってばよ……)」
優之介と斬波はとりあえず漢字で書いた登録用紙が何の問題もなく受理されたことを疑問に思ったが、受付嬢がトントン拍子で手続きをしているので一旦置いておいた。
「え~!?血を出すの~? なんか痛そうで嫌なんだけど……」と言わんばかりの表情の優之介に、受付嬢が笑顔で針を渡す。
優之介は苦笑いしながら受け取り、プスッと人差し指に針を突き立てて血を水晶にたらした、ちょっと痛かった。
「はい、こちらがユウノスケ様のギルドカードです。無くさないようにしてくださいね♪」
「あ、ありがとうございます……」
受付嬢から受け取ったギルドカードは鉄で出来ていて、そこにはユウノスケ・ユメサキの名前とランクがそこに掘られていた。
斬波も手続きを終えてギルドカードをもらったタイミングで受付嬢が冒険者稼業について説明してくれた。
「これでお二人の登録手続きが終了しました、これで貴方達は冒険者の仲間入りです♪ 冒険者としての依頼の受け方はご存知ですか?」
ホール内の壁際に掲示板があるので大体察しがつくが、優之介は一応「あそこの掲示板に貼られている紙を受付に持って来ればいいんですか?」と聞いてみる、すると受付嬢は「はい、その通りです♪」と笑顔で答えてくれたので彼の予想は正しかったようだ。
「ただ、ご自分のランクにあった依頼を持ってきてくださいね? 冒険者のランクより高い難易度の依頼を受けることはできませんから。どうしても受けたい場合はその難易度と同じ、もしくは高いランクの冒険者とパーティを組んでいただくことにまりますのでご了承ください」
「あぁ、わかった」
「わかりました」
「後、冒険者ランクはGからSまであります。お二人はたった今登録されたばかりですので当然ながら最下層のGランクからのスタートとなります。依頼をこなしたり、強い魔物を討伐したり、その他の功績を上げればランクアップしますので頑張ってください♪ 本日は依頼を受けますか?」
冒険者登録が終わると同時に受付嬢が早速依頼を受けるかどうか勧めてくるので、一旦優之介と斬波は二人で相談した。
「どうします?」
「どうするも何もこれから旅に出るんだ、受けようがない。それよりもどこか冒険者活動がやりやすい場所を紹介してもらうぜ」
「ラジャー」
王都で依頼を受けるなら王城から旅に出る必要ないもんね……。
とりあえず依頼は置いといてどこかオススメの街がないか受付嬢に聞いてみた。
「依頼は大丈夫です。それよりもこれから旅に出るので、どこか冒険者活動がしやすい街とか教えてくれるとありがたいのですが……」
「そうでしたか、それでしたら王都から西に向かった先にティユールと言う街があります。街の近くには魔物が出現する森やダンジョンがあるので、初心者から上級者まで、幅広い冒険者達が武者修行に滞在する事が多いですよ」
森やダンジョンが近くにある街か、確かに武者修行にはもってこいだな! ひとまず優之介と斬波はそこに行くことにした。
ティユールの街に向かうことを受付嬢に言うと、受付嬢が野郎二人にアドバイスをしてくれた。
「旅の途中では常駐依頼である薬草集めやアイテム収集、後は魔物を討伐しながら素材を集めながら旅をすると良いでしょう。各街に冒険者ギルドがあるのでそちらで薬草やアイテムを卸したり、魔物の素材を売れば路銀に困ることはないでしょう」
「ありがとうございます、お姉さん」
「世話になった」
「あ、申し遅れました。私の名前はマリィと申します、以後お見知りおきを。ユウノスケ様、シバ様」
「よろしくお願いします、マリィさん。様はいらないですよ」
「俺も様付けで呼ばんでいいぞ」
「ふふ、そうですか♪ それでは良い旅を、ユウノスケさん、シバさん」
「行って来ます」「行って来る」
受付嬢のマリィと別れた優之介と斬波は王都で必要最低限の買い物を済ませてから、王都を出発してティユールの街へ向かった。
余談ではあるが、ラノベ知識が正しければ新人冒険者は必ずと言っていいほど絡まれるが、優之介と斬波にはそんなことはなかった。
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