第3話

仕事だ。

嫌でも彼らと顔を合わすことになると、それが食事のように奴は戻ってくる。

だから、わざわざ連れ戻しに行かなくても…と、俺は思う。

彼らの中には俺と話す人も存在する。

仲良くなると、「相談事はいつでもしてくれ。俺は君の味方だ。」と例のごとくにその人は言う。

しかし、俺はその状況になると必ず、『いつでも味方』と言う奴なんて信用しない方がいいと考えてしまうのだ。

親でさえ、『いつでも味方』ではないのだから。家族が敵になる瞬間は日常に潜んでいる。


これは俺の偏見に依るが、誠に君のことを思ってくれている親でなければ必ず責任逃れをする。

人生の重大な岐路である進路決定でさえも口を出されて、君がなびいてしまえば、「あんたが決めたんだから。」


そう言われても良いのかい?


家族は本当に心配しているのだろうが、それは自分達のため、お金で人生の豊かさを求めさせようと無意識に押し付けていることが多いためなのだ。

そうならないためには、完全に信頼しちゃいけない。

強引にでも本当にやりたいことを通す勇気がある場面では必要なんだ。


「立ち上がれよ。」

心は劣等感を励ましている。

それを俺は遠くから眺めていた。

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