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「これで、送信……と」

 私はひどく高揚していた。

 心の中で、たかが写真、たかが写真、と繰り返している。

 顔も隠してる、部屋の間取りが分かるほどの範囲は撮れていない。この服だって、一度も人前で着たことなんてないやつ。誰も私だとは分からない。

 大丈夫、大丈夫。


 私は、投稿ボタンを押した。


 スマホが震える。すぐに反応があった。私は新着のお知らせをタップした。

 画面の中には、鏡の中で、ほとんど下着の中まで見えそうな私の自撮り写真が大きく表示された。これが、世界中の人に向けて発信されているのだ。そう思うと、ぞわぞわとした。


 いいね、いいね、いいね、いいね。


 たちまちに今まで経験したことのないようなレスポンスがあった。たくさんの、たくさんのひとがこれを見ているのだと感じられた。

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