第3話 借金王 や助君臨!!

「おら!! てめぇそんなに汚い飲み方して 金が無いとか あり得ねーだろ? ああん?」ボカ!! ドカッ!! バキッ!!

彼の名前は シンゴ このガタッツ繁華街の 用心棒 兼 ヤミ金取り立て 兼 チンピラ

要は 悪党一味の一員なのだが


えっ? 今回は この悪い人が主人公かって?

違う違う

この下で 酔いつぶれて 蹴られてる人 こっちが主人公ですよ(笑)


話を戻そう このボロ雑巾のような この男が 遊び人や助である

いつでも 何処でも酒浸りの アルチューである

や助は ボロボロになった体を 夜の繁華街を ヨタヨタ歩く 右手に酒瓶 時折飲みながら 行き交う通行人に 絡みながら どうしょもないアルチューピエロだ


や助は 道ばたで 大の字になり 半分気絶に近いが 酔いのせいか寝ていた

「うわ!!」

「うっ!!」

「ぶふっ…」

誰かに顔面 腹 ちんちんを順番に 踏み潰された 最後は声にならない呻き声を漏らした

痛みからか もんどり打つ

「ちきしょー」辺りを見回すが もう誰も居なかった

「くそっ!!」悪態を付くがもう誰も居なかった ふと時計に目をやるともう 夜中だった…

またこんな時間まで飲んでしまった 千鳥足ながらも 自宅に帰る事にした

や助の自宅は ガタッツの郊外にある

家の中は おびただしいほどのガンプラが積み上げられていた

そう や助がお金が無いのは 単なるガンプラ貧乏だった

そこに 大量の酒 お金が貯まるはずが無かった


家に帰り ソファーに腰掛け さっき踏みつけられた事に憤慨していた

気持ちを落ち着かせるため 目の前にある ガンプラを組み上げはじめた!!


や助は 元々ピエロを生業としていた

人を笑わせる事を 誇りに思い 昼間は子供の笑顔に囲まれ 夜は 酒とガンプラに囲まれ生活をしていた

や助自身は満足だったが

ガンプラと酒で ものすごい借金をしていた 「あっーなんかバイトでも探すか」

や助は 新聞の折り込み広告に目をやる


一晩であなたも 一獲千金

ちょっとした実験のお手伝いです!!

ロボット研究所

電話番号 000-1111-2222

電話一本で あなたも大金持ち


や助は 「なんて怪しいんだ!!」思わず声に出したが 考えるより先に電話を掴んでいた


ピポパピポッ


「はい!! お電話ありがとうございます こちらロボット研究所 担当の猫です!!」


「あのーチラシを見て」

「はい!! ありがとうございます 実験のお手伝いの ご応募ですね!! 採用です 今夜から行けますか?」


「えっ? もう採用ですか?」


「うちも人手不足なもので? 」

「わかりました 今夜お伺いします!!」


や助は一眠りして その研究所に向かう事にした


研究所って イメージすると 広い建物のイメージだったが 言われた住所の場所は 倉庫を改修したような所だった


や助は覚悟を決めた

ピンポーン

「はーい」

「あのーバイトの件で…」

「あーや助様ですね お待ちしてました!!」

ガチャ扉の鍵が開いた

「どうぞどうぞ~」

気さくな笑顔を浮かべる猫が 現れた

「どうぞどうぞ お待ちしてました!!」

通路には 見たことも無い機械が ごろごろ転がっていた

一番奥の部屋のど真ん中に いかにも怪しい椅子が置いてあった 猫はそこへ座れと 手を向けた

腰を落とすや助

猫は 小難しい説明をしているが 内容は全く入らないが お金は 一晩で 一千万円 明日の朝貰えるらしい

そこだけは理解した!!


「飲み物はビールで良いですか?」

「これから仕事なのにいいんですか?」

「いいんです!! いいんです!! これから長いんですから 一杯位 さっどうぞ~」猫は満面に笑みを浮かべ 黄金に輝いた 冷たいビールを差し出した

「ゴクッゴクッゴクッ!! ふぅー」

黄金色に輝いた キンキンに冷えたビールは格別だった!!


猫は 手料理も振る舞ってくれた

「私は山梨の出身でね ほうとうも得意なんですよ」と 目の前に出された ほうとうは うまそうだった や助は箸を付けた所で 睡魔が襲ってきた

テーブルに突っ伏した状態で寝てしまった

遠くで 猫の声が聞こえる

「よし 運び出せ」

ガチャン

キュイーーン

ガリガリガリガリ

バチバチ

「所長これはどうしましょう?」

「あっーそこにガムテープあるから」

ビビビ ペタペタ


そして 夜が明けた


格納庫に納められた や助は 頭痛で起き始めた

「うわっ二日酔いか?」

起き上がると 猫は居なかった テーブルの上に 大金と手紙が置いてあった 手紙を読むと 改造手術は無事に成功しました

あなたの身体には GPSと カメラがが埋め込まれ これからモニターとして 活動を監視させていただきます

あなたの身体は電池で動いてます 切らさないようにね

モニター期間は 三年です 満期に成れば お身体はお返しします!!



や助は鏡を見て驚愕した ロボットにされていたのを 理解するのに 数分掛かった


鋼の身体 ゴツい腕 重厚な足 武器も備わっていた


や助は 自分の身体を取り返す事を 決意し 猫を追いかける支度をした


サイコピエロ や助の旅は ここからはじまる!!


道具屋で電池とワックスでも買うか…


金はあるんだ

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