すれ違う10代の恋。大切なものを守る意義を失った時、少女は……

10代という多感な時期には、たとえ幼馴染であっても、互いの立場が目まぐるしく変わっていきます。本人の未熟さだけでなく、周りの環境のせいもあって2 人の距離が変わっていく様子が、この小説では上手く描写されています。

特に、数年の間に幼馴染の少女は精神的に大人びた一方で、主人公の少年は鈍感な子供のまま、という対比がリアルだと感じました。

10代特有の透明感のある空気が描かれた、読みやすい作品です。