第173話 今回のイベントは……!
私が和幸さんと渓流釣りに行った翌日。第11回イベント当日です!
私はイベントの概要が運営から届いていたので、それを改めて確認をしました。すると、今回はパーティやクランごとのイベントではなく、どうやら個人戦のようでした。
そして、フィールドに出現するモンスターの撃破数と生存時間をポイントに換算して順位を出すようなのです。注意事項としては、当然の如くパーティを組むのは禁止。また、プレイヤー同士の戦闘におけるダメージもダメージとして換算されるため、実質プレイヤー同士の戦いもアリとのことでした。
ともあれ、今回のイベントは私たち『氷愛の剣』としてではなく、個人個人でどこまでやれるかにかかっているので、言うなれば全員がライバルということになります!
今回私たちのクランから出場するのは、お母さん以外の全員。私を含めて、10人が出場するということになります!
「ハル、今回のイベントでは俺が勝たせてもらうからな」
「はいなのですよ!カズさん、頑張ってください!」
カズさんはどうやら私に勝ちたいようなのですが、この場合は頑張れとしか言いようがありません。
「今回はおいらには厳しいタイプのイベントですかねぇ」
「それはオレもさ。ともあれ、生産職や後衛組には不利すぎるイベントだけど、出来る限り頑張るしかないか」
「そうですねぇ。おいらもやれる範囲で頑張ることにしますよ」
ケースケさんとテツさんのおふたりが話しているのがチラッと聞こえたのですが、確かに今回のイベントは後衛組には非常に不利なイベントだと思うのです……!
「……ハルお姉ちゃん」
「あっ、ワカナちゃん!」
「……ハルお姉ちゃんは上位を狙いに行く感じ??」
「そうですね……クランのリーダーですし、悪い結果は残せませんから……!」
今、自分で話していて何やらもの凄く緊張してきたのですよ……!!
「……ハルお姉ちゃん、吸って~、吐いて~」
「すぅ~~はぁ~~」
私はワカナちゃんに促されるまま何度か深呼吸を行ないました。そうしているうちに、緊張も少しずつ解けていき、先ほどのように緊張することはなくなりました。
「ワカナちゃん、ありがとうございます!」
「……ううん、私は別に大したことはしてない。そんなことよりも、ハルお姉ちゃんならいつも通りに戦っていれば十分に上位に入れる」
そうしてイベント開始までひらすらワカナちゃんからの励ましを受けました。そのおかげで、私も緊張が解けてリラックスできました。これなら平常心で、モンスターを倒していって上位に食らいつくことも出来そうな気がします!頑張るのですよ!!
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