第128話 リーダー交代

「あとはハルとカツヒロだけか」


「でしたら、私のステータスから……」


 私は画面にステータスを表示して、皆さんに見えるように向きを変えました。


 ―――――


 プレイヤー名:ハル

 職業:魔法剣士 《マジックナイト》

 氷魔法レベル10、風魔法レベル5


 累計ステータス値14526

 体力 2083

 魔力 2684

 力  2306

 耐久 2422

 敏捷 2857

 魔耐 2174


 装備

 頭   【】

 体   【剣士の紫闘衣 《耐久+248、敏捷+49》】

 右手  【回治の剣 《力+308、与えた物理ダメージの5%体力回復》】

 左手  【ジェムストーンバックラー 《耐久+130、魔力+151》】

 腕   【】

 脚   【ネイビーラビットの靴 《敏捷+280》】

 装飾品 【韋駄天の指輪 《耐久+52、敏捷+260》】【】【】


 ―――――


 私のステータスを見られた後、皆さん固まっておられるのですが、何かマズい点でもあったのでしょうか……?


「ハル、今日から正式にこのパーティのリーダーはお前だ」


「か、カズさん!?それはどういう……」


「だって、ハルが一番累計ステータス値が高いからな。リーダーは一番強いヤツの方がいいだろ?」


「で、ですが、私はダメダメです!とてもリーダーなど……!」


「その辺りは俺もみんなも助けるようにするからさ。だから、頼む!引き受けてくれ!」


 あまりにも突然のことで、私もどう答えて良いのやらさっぱり分かりません……!


「ハル、引き受けたらどうだ?」


「お父さん?」


 突然肩に手が置かれ、誰かと思えばお父さんでした。


「こういうのは何事も経験だ。それに、頼まれてリーダーになるなんてめったにないことだぞ。そもそもメンバーからの信頼がないと回ってこないからな」


 何やら社会人経験の長いお父さんに言われると、本当にそう思えてくるのは何だか不思議でした。


 それに、周りを見回してみれば、皆さんが笑顔で頷いておられます。確かに、皆さんで支えてくださるのなら、リーダーを頑張ってやってみるのはアリなのかもしれません……!


「で、では!ありがたく引き受けさせていただきます!」


 ――ゴチン!


「あたた……」


 顔を上げると、頭を押さえているカズさんのお姿が!どうやら、頼む時に頭を下げたままだったカズさんに頭をぶつけてしまったようなのです!


「カズさん、ごめんなさい!」


「ああ、いや。大丈夫だ……痛みも少し引いてきた」


「な、なら良いのですが……!」


 カズさんは痛かったでしょうに私へと笑いかけてくださいました。ですが、笑顔を作れているのなら、大丈夫なのかとひとまずは安心することにしました。


 とはいえ、お父さんからは『おっちょこちょいなリーダーだ』と笑われてしまったのです……!


 確かにそうですが、リーダーとしておっちょこちょいなところは何とかしなければなりません!頑張ります!

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