第124話 第9回イベント当日に

 今日は1月3日の日曜日。第9回イベントの当日です!


 第9回イベントは今年に入って初めてのイベント。みなさん、やる気満々のようなのです!


 いつも通り開始時刻1時間前からパーティごとに別の空間にて待機することができるため、私たちはその空間で待ち合わせることになっています。


「ハル、待たせたな」


「お父さ……カツヒロさん。待ち合わせ場所まで行きますが、準備の方は……」


「ああ、大丈夫だ。この通り装備も万全だからな」


 私はログインして入る広場の脇でお父さんと合流し、待ち合わせ場所へと向かいました。


 お父さんとお母さんが私たちのパーティに入りたがっていることをカズさんたちに伝えました。もちろん、私の両親であることも含めてですが。


 さすがにみなさん戸惑っておられましたが、なんとかパーティ入りはオッケーが出たのです。


「お母……ヨーコさんはマサルさんのお店ですか?」


「ああ、マサルの店の店番をすると言っていたな。確か、マサルも今回はイベントに参加しないんだったな」


「はい、この三が日がお客さんのかき入れ時なのだとおっしゃってました」


「なるほどな」


 なんだか、お父さんと話しながらSdnGの街を歩くというのは新鮮な気分でしたが、そのような話をしているとあっという間に待ち合わせの場所へと到着しました。


「お、ハルとハルの親父さんが来たか」


「……ハルお姉ちゃん、おはよう」


 待ち合わせの場所にはカズさんとワカナちゃんがすでに来られておりました。どうやら、一番乗りは逃したようなのです。


「カズ、ワカナ。今日はよろしく頼む」


「こちらこそ、よろしく……お願いします」


「……よ、よろしくお願いします」


 お父さんはお二人の肩を叩きながら愉快そうに笑っておられましたが、まだまだカズさんとワカナちゃんは慣れておられない様子で、表情が硬いままでした。


「みなさん、おはようございます……!」


 そんなところへルビアちゃんも到着です。とはいえ、お父さんがいることでルビアちゃんも緊張してしまっているようです。なんだか、私まで申し訳ない気分になってしまいます……!


 そうして、ルビアちゃんが来て数分ほどして、ユーカさんとテツさんも合流なさり、今回のイベントに参加する7人が無事に揃ったのでした。


「やっぱり、オレがいるとみんな遠慮してしまうみたいだな」


「当り前ですよ、私たちは同年代でパーティを組んでいるので、SdnGの中で親世代とパーティを組むなんて誰も経験がありません」


「ここは何かギャグでも言って笑いを取った方が……」


「それはやめておいた方がいいです」


「……そうか」


 お父さんのギャグはこんな冬に披露された日には、全員氷漬けになってしまいます……


 ですが、このぎこちない感じを払拭しないことには始まりそうにありません。これは私が何とかするしかないのでしょうか……?

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