第111話 武器を買いに①

 私たちは今、SdnGの街を歩いています。とはいえ、先ほどクエストをクリアして報酬も受け取ったばかりなのです。


 それはさておき、私たちは装備を買い替えるべく、町を歩いているのです。


 なぜならば、私たちが前回の第8回イベントで戦ったアヤさんのクランの方々は私たちとは比べものにならないほど良い装備を揃えておられたのです。


 第8回イベントの前にユーカさんから頂いた装備も良いモノばかりでしたが、より良い装備があるに越したことはないのです……!


「いらっしゃいませ!」


 街の通りの中でも一際地味な武器屋さんを見つけ、中に入りますと、元気な少年の声が耳元まで届きました。褐色肌なので、種族はドワーフでしょうか?背丈も小柄ですし。


「えっと、アンタが店主か?」


「はい!最近、このゲームを引退した鍛冶師ブラックスミスの方の店を継いだんです」


「そうか。俺たち武器とかを探してるんだが……」


「でしたら、使う武器屋防具の種類などをこちらの紙に書いて頂いてもよろしいですか?」


「ああ、分かった」


 カズさんが1人で店の奥へと進まれて、カウンターで店主の少年とやり取りをなさった後、紙に記入しておられます。


「これでいいか?」


「……はい、4人分いただきました。すぐに準備しますね!」


 少年店主は無邪気な笑顔と共に店の奥へと姿を消してしまわれました。


「あ、ワカナとハル、ルビアの分も勝手に書いて出したんだが……良かったか?」


「……うん」


「はい、私は問題ないです!」


「私も大丈夫です」


「なら良かった」


 私たちは少年店主が出て来られるまで、店内に飾られている武器や防具を見させていただきました。ですが、私にはどれがどうスゴイのか、さっぱり分からないのでした。


「お待たせしました!まずは、カズ様の装備からでよろしいでしょうか?」


「ああ、それで構わない」


 こうしてカズさんに合いそうな武器や防具がカウンターに並べられたのでした。左から順に銀色の刀身で、柄が真っ赤な大剣。そして、ふちに金色があしらわれた銀色の鎧と兜、銀色の篭手、銀色のグリーブでした。


「これは『白金シリーズ』という装備で、どれも特殊な効果はありません。ですが、扱いやすさにおいては折紙付です」


 少年店主の話はカズさんに色々と説明をしてくださいました。その中でデメリットもメリットも同時に明かしてくれるので、すごく信頼できる感じがしました。カズさんもそれは同じだったのか、即断即決で購入なされました。


「本当に買っていただけるんですか?」


「ああ、値段も手ごろな値段だしな。それにこんなに熱心に選んでくれたのに買わないのはあんまりだろ?」


「あ、ありがとうございます!」


 こうして、カズさんの装備は銀一色に統一され、見た目が騎士様のように統一感のある仕上がりになられたのでした。

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