第110話 クリスマスもSdnGです!
「それじゃあ、ハルの最寄り駅に14時集合だな」
カズさんたちは一度、SdnGの機材を取りにご自宅へと戻られました。そして、私は茜ちゃんと一緒にアパートへと戻りました。
「それでは、私は着替えたりしてからSdnGの機材を茜ちゃんのお部屋に運びますね」
「はい。私も部屋の片づけとかをしているので、部屋のカギは開けておきます」
部屋の前で茜ちゃんと別れた後、私はSdnGの機材を紙袋へとまとめました。それから外出用の服ではなく、もっと家で着るような服装へと着替えました。
私は部屋を出る前に荷物確認を済ませて、茜ちゃんの部屋へと入りました。茜ちゃんは掃除機をかけておられてお忙しそうでした。
私も荷物を置いた後、部屋のお掃除を手伝わせていただきました。そうしているうちに、集合時間の14時が近づいてきたのです。
「ハルさん、そろそろ駅に向かいましょうか」
「そうですね、移動しましょう!」
私たちは歩いて駅に移動すると、カズさんとワカナちゃんがちょうど改札を出て来られるところでした。
「おふたりとも、遅れてすみません……!」
「いや、まだ14時になってないぞ。電車が早く着いただけだ。ほら」
カズさんがスマホを見せてくださいましたが、確かに14時にはなっておりませんでした。
「……ハルお姉ちゃんの部屋には上がったことがあるけど、茜さんの部屋は初めて」
「そうだ、ワカナちゃん。この際だし、さん付けじゃなくて、ちゃん付けで『茜ちゃん』って呼んでもらいたいんだけど……」
「……分かった、茜……ちゃん」
ワカナちゃんが『茜ちゃん』と呼ぶと、茜ちゃんは本当に嬉しそうな表情でワカナちゃんをぎゅっと抱きしめておられました。
「……茜ちゃん、苦しい」
「あっ、ごめんなさい!」
茜ちゃんはワカナちゃんの声に弾かれるように抱きしめを解除なさり、その後は何てことのない話をしながら、私たちのアパートへと向かったのでした。
「そういえば、ハルとルビアは正月休みはどうするんだ?実家に帰るのか?」
「はい、私は実家に帰ります!」
「私は父親が海外出張で帰ってこないので、ここで新年を迎えます」
茜ちゃんの指さす先。そこには私と茜ちゃんの住む部屋があるアパートがありました。そこからは階段を上がって茜ちゃんのお部屋の前へと移動しました。
「……ここが茜ちゃんの部屋」
「そうです。ハルさんの隣の部屋なので、分かりやすいよね」
そう言いながら茜ちゃんはササッと部屋のカギを開けてしまわれました。こうして、茜ちゃんの部屋に集まっての楽しいひと時が幕を開けるのでした。
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