第51話 文化祭です!

 今日はワカナちゃんとカズさんの通っている高校の文化祭にやって来ました。ちなみに、私の隣には茜さんもいらっしゃいます。


 どうして私たちが文化祭にいるのかと言えば、カズさんから誘われたからにほかなりません!


 突然、土曜日の予定が空いているかを聞かれた時には驚かされましたが、まさか文化祭へのお誘いだとは思いませんでした。


 しかも、今日は文化祭があるというだけでなく、ワカナちゃんの16歳のお誕生日なのだそうです!


 カズさんはワカナちゃんの誕生日を私や茜さんも一緒に祝うことができれば、喜ぶのではと考えたのだそう。


 ですが、こんな形でワカナちゃんの高校を訪れることになるとは思わなかったですが、集合のお昼までは時間があるので、存分に文化祭を楽しもうと思うのです!


「茜さん、行きましょうか!」


「はい!ハルさん!」


 文化祭は久々な感じがしますが、屋台がたくさん出ていて賑やかなので見ているだけで楽しいのです。


「確か、ワカナさんのクラスはメイド喫茶……でしたよね?」


「はい、カズさんからはそう聞いているのです」


 私と茜さんは校舎に入り、靴を履き替え、一階の廊下を進みました。


「あ、そういえば茜さんはリアルワカナちゃんに会うのは初めてなのですよね?」


「はい。なんだか、リアルで初めて会うって思っていたよりもドキドキしますね……!」


「そうなのです!やはり、ドキドキしますよね!」


 私は茜さんに共感してもらえたのが嬉しかったのです。実際、私もカズさんとワカナちゃんと初めて会う時にはドキドキが止まりませんでした。


 それと同じ感じを茜さんも味わっているのかと思うと、お仲間って感じがします。


 そんなこんなで廊下を進んでいくと、メイド喫茶がありました。


「おかえりなさいませ!ご主人様……」


 教室に入ってすぐのところに立っていたメイドさん。どなたかと思えば、ワカナちゃんご本人でした。


 ワカナちゃんのお顔は真っ赤でした。やはり、メイド姿は知り合いに見られると恥ずかしいようです。


 私が顔を真っ赤にして恥ずかしがっているワカナちゃんを可愛いなと思いながら見ていると、ワカナちゃんはハッと我に返ったのか、席まで案内してくださいました。


 私と茜さんは席につき、メニューは何があるのかを確認しました。


 メニューはドリンクしかなかったので、私も茜さんもカフェラテのホットを注文しました。外は風が冷たくて、寒いですからね。


「そういえば、私が『ルビア』だってことは明かさなくて大丈夫なんですか?」


「それは……」


 しまったのです!完全に話すタイミングを逃してしまいました!どうしましょう!


 ……結局、ワカナちゃんの誕生日を祝う時に話そうということで決まったのでした。

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