第15話 エンシェントスパイダー
「ナイス、ハル!このまま突っ込むぞ!」
「はいです!」
現在、私とカズさんはエンシェントスパイダーに向かっていくところなのです!
時々、エンシェントスパイダーが糸を吐こうとしてくるのですが、絶妙なタイミングで後方からワカナちゃんが弓で援護してくれるので無傷で援護の足元までたどり着くことが出来ました!
「オラア!」
カズさんは大剣をエンシェントスパイダーの左足にフルスイングするとあっさりと足が切れてバランスを崩しました!
「ハル!そんなところでボーっとしてないで攻撃してくれ!」
「はわわ、ごめんなさいです!」
私も攻撃しなくては!カズさんの戦いに見惚れている場合ではありません!
エンシェントスパイダーは私の方がカズさんより弱いことを悟ったのか、こちらに糸攻撃をしかけようと口をこちらに向けました。近くで見ると糸が奥で動いているのが分かります。
「ハル、かわせ!」
カズさんの声が聞こえてきましたが、私はあえて無視しました。なぜなら、これが狙いだったからなのです!
クモが口を開けるのは一瞬なのでタイミングが大事なのです!
『アイスカッター!』
私はエンシェントスパイダーの口の中に氷の刃を放ちました。すると、予想外なことに透明気味の薄い色をした液体を吐き出しながらこちらに突進してきたのです!
『サンダーショット!』
後方から雷の矢がエンシェントスパイダーの頭部を貫きました。
それを最後にエンシェントスパイダーの動きは停止して光の粒子になって消えていきました。
「……服?」
エンシェントスパイダーの居た場所には白を基調にしたシンプルなデザインの服が落ちていました。
「それは『エンシェントスパイダーの衣』っていう装備品だな」
カズさんが大剣を肩に担ぎながらこちらへやってきました。
「『エンシェントスパイダーの衣』……」
「確か効果は……」
「……幻惑と混乱、麻痺の無効化」
カズさんが効果を説明するより先にワカナちゃんが説明してくれました。
「それではこれはワカナちゃんが使って下さいなのです!」
「……え、私が?」
「はい!ワカナちゃんが止めを刺したわけですし、ワカナちゃんが使った方がクモさんも喜びますよ!」
ワカナちゃんは最初こそ戸惑っておられましたが、結局着ることを選ばれました。
「……どう?」
ワカナちゃんは早速装備して私たちに見せてくれました。シンプルなデザインがワカナちゃんの可愛らしさを引き立てているような感じで可愛らしいです!
「すごく、お似合いですよ!」
「ああ、似合ってるぞ」
「……良かった」
ワカナちゃんはニコリと笑みを浮かべて嬉しそうでした。
私たちはその後、何てことのない話をしながら街へと戻り、笑顔で手を振って別れました。
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