柊圭介様
アランはまた大きな十字架を背負って生きていたのですね。
なんで、どうしてこんなことにと思わざる負えませんが、ジュールが去った後、ここでも色々なことが起こっていたのですね。
そして、お父さんはジュールと同じ文学青年だったのですね。
こんな風に繋がれて、きっと嬉しかったはず。
ジュールは愛されて生まれてきた。ヤンの言葉は真実でした。
ジュールはようやく、一つの居場所を見つけることができたのかなと思いました。
作者からの返信
アランはジュールの回想の中でしか登場しませんが、やっぱりどの人間にもその人の考えや生き方がありますよね。すこしでもこの幼馴染の苦しみを残しておきたかったです。どの世界でも、自分がいなくなってもそのあとに必ず話が続いているのではないかと思います。ジュールのようにそれを目の当たりにするのは厳しいですが。
この世にいない人のことも最後に触れておきたかったです。父母のことを知って、ヤンの言ったことが真実だと思えたら何よりですね。
戦争はどの時代も人の心に深い影を落とす。そこには勝ったも負けたもありません。
傷つき人生を狂わされた人々が残るだけです。
お父さんも、そんな犠牲者の一人だったんですよね。
君は幸せな子どもだ。奇しくもヤンに言われた言葉がここでグッと心に浮かび上がってきます。
こんなジュールの人生にもちゃんと光はあった。両親の愛を精一杯受けて彼は生まれてきたんですから。
ああやっぱり聞かれるんですね、今までの事を…😥
作者からの返信
一番初めに書き始めた時は父の存在がここまで大きくなるとは考えていなかったんですけど、普仏戦争と絡めることでジュールの両親にもドラマができたと思います。
戦争は父の人生も狂わせてしまいました。でもおかげで最愛の女性に出会えたわけで。しかし敵国の男と知っても愛せるって考えればすごいことですよね。自分で書きながら見たことのないジュールの母がとても強い人に思えてきました(笑)
こんな二人のあいだに生まれたのだから、ジュールはやっぱり幸せな子どもですよね。
「僕は、幸せになれないんだ。そうできているんです」……諦めたように云ったジュールが得る眩しいぐらいの生の煌めき。自ら「幸福になる権利」を手離していたジュールが、それを獲得しようとする心。何度、拝読しても、この展開、この結末は、「素晴らしい」の一語に尽きます。
透明トロフィーの輝きが見えました。私にとって『ジュールの森』は、「カクヨムを始めてから私の内面に最も蓄積したで賞」に輝いております✨✨
私も、柊さんの文章、殊に『ジュールの森』には、解放された「エネルギー」を感じました。小説という媒体に閉じ籠められたのではなくて、小説という媒体をもって解放された想いの物語であったと再認識するのです。
評論家ゆいさまの御言葉に、共に盛大な感謝の透明トロフィーを……ありがとうございます。
なんと! この長編を一ヶ月で!? そして推敲に一年!! 天賦の才を感じます。才能の塊。私など脳の許容量の少ない凡人ですから、延々と推敲して終わらないどころか、推敲し過ぎて混乱して、結局初稿が一番良かったんじゃない? という具合に時間と自分を浪費します。ファースト・インプレッションって大切ですね。正直、大人に成ってから出逢う「芸術」は、十代で出逢った「芸術」に比較して吸収することが難しく、また蓄積し難いと思うのですが、柊さんの「芸術」は私の内面に吸収され、蓄積され、味わいを醸造する「文學」の一級品でした。私の少女性を目覚めさせ、揺り動かしてくださった名著として、ずっと忘れることはないでしょう。本当に出逢えて良かった。そう思います。読ませていただき、ありがとうございました❤
作者からの返信
ひいなさん、みたびのご訪問、そして毎回熱のこもったコメントを頂いて、ずっと幸せに浸っておりました。読み返してさらにその中で気づきを伝えてもらえることは、作者の最高の喜びです。もう身に余るほどご褒美を頂いた気分です。
「小説という媒体に閉じ籠められたのではなくて、小説という媒体をもって解放された想いの物語」レビューにもありましたこのお言葉が本当に嬉しいです。解放、まさに書いた頃の気持ちを表して下さってます。ひいなさんの内面に蓄積された、なんて、ものすごく光栄です。
そうですね、確かに大人になってから触れるものは、十代の頃より蓄積されづらいかも知れません。変に自分の心を守ることを覚えちゃうんですね。でもはじいてしまうのは勿体ないと思います。ひいなさんの作品は、心に殻があるとすればそこをじわじわと浸透してくるような感覚があります。そして中心まで到達するという。これも蓄積されていくのと同じかな。
「文學」とか「芸術」という言葉は僕の書くものにはおこがましいのです。でも書くことを見つけたのはよかったと思っています。そしてそれを読んで響いてくれる人がいるということ、これはプラスアルファの贅沢だと思います。
ひいなさんのオートマティックライティングはそれこそ天賦の才です。一気に彫り上げていく彫刻みたいな。僕は腕を取ったり足を変えたり色々やりました(笑)
自分の書いたものからいっぱい感じ取り、認めてくれる人がいるって、本当に幸せですね。このコメントを頂いて、しみじみそう思っています。本当にお会いできてよかったです。
何度お礼を言っても言い切れないです。
ひいなさん、ありがとうございます!
編集済
アランのこと、とても衝撃的でした。
そしてジュールにとっても心苦しくも、現実はなんて呆気ないんだろうと思わずにはいられなかったでしょう。
ここで神父様から、ジュールは望まれ、生まれるべくして生まれてきたのだと聞かされて、ようやくジュールは『自分という存在』の光明を得たのかなと思えました。
神父様はやっぱり『救済』を見出してくれる存在なのかな、と。
作者からの返信
蒼翠さん、コメントありがとうございます。
アランのことは最初からこう設定していて、ここで神父に語らせることにしました。神父はこの章での説明役のような感じですね。両親のことも、いろいろなわだかまりを解いていくようなものにしたかったです。ジュールは本当の意味で自分の存在を肯定できたと思います。神父に救済を感じ取っていただき嬉しいです。
編集済
訂正しに来ました!
先日も最終話まで読み、そして昨日も最終話まで読みました。つまり二回、最終話まで読んだということです!昨日は冷静に読めると思ったんですが……。どうしてもジュールに感情移入してしまいます。似ているのかな?
そしてお仕事の件、なるほど!って思いました。現代日本人の感覚で読んでいましたが、19世紀って日本なら明治ですものね。国も違いますし。時代を考慮する必要がありましたね。フランス事情、興味深かったです。
10年後のために、ジュールの森は取っておいてくださいね。
私、柊さん、ひいなさん、ハナスさん、りくさん。10年後どうなっているのでしょう?10年は長いですね。一瞬一瞬の出会いが貴重です。
10年後、ジュールの森で再会できたら面白いですよね。10年後の柊さんが、ジュールの森を読み返してどう思うのか聞いてみたいです。
作者からの返信
遊井さんコメントありがとうございます。
ではやっぱり二度も最後まで読んで下さったんですね! 改めてありがとうございます! ジュールに感情移入…きっと似た部分があるんでしょうね、考え方とか。でも入り込んで読んでもらえる方が作者としては嬉しいですよね。
今より少し不自由な時代(?)にすることで書きやすいことが多かったです。でも人に見せるとなるとひと昔前の外国の話は分かりやすさが必要ですね。。。
書く前と書いた後では気持ちも変わったし、これが10年後となるとまた違うんでしょうね。
ここで出会えた方は貴重です、ほんとに。
感性豊かな方に読んで頂けて幸せです。ありがとうございます。
ジュールの両親は幸せな夫婦だった。
ジュールは両親の愛情に包まれて生まれてきた。
そのことが何よりもジュールの心に明かりを差してくれましたね。
──君は幸せな子どもだ。
ヤンが言ってくれた言葉も今やっとストンと心に響いてきて良かったです。
作者からの返信
本来なら敵同士の男女ですが、深い部分で人間として愛し合った結果生まれたのなら、それは本当に幸せな子どもだと言えますよね。母は騙されていたのではないかと思っていただけに、ジュールにとってこの話を聞くことができたのはまさに明かりが差すような感じだったと思います。