第15話 人生で一番強烈だった夢の話

 ここまで言ってこのシリーズを終わる気はないですが、まあ今後、これより強烈な夢を見ることもないと思われますので、ここにてご紹介。

 2008年11月半ばの土曜日の朝方のことです。


 前日は倉敷方面で一仕事あり、帰りの列車に元国鉄の方で岡山駅長も務められた小野さんという方に列車でお会いしました。まあその、国鉄時代の無人駅の集札箱から切符や金を盗んでいる人間がいて云々という話をしたのを覚えております。

 それから、いつものように帰ってきて、近くの百万両ラーメンの店でビールを何倍も飲んで帰って寝ておりました。


 確か、朝8時前後だったと思います。

 突如、目の前に映像が。


 なぜか、私の実母と父方の叔母(父の妹・神戸市在住)が並んで座っておりました。これがまず、第一の仰天。そもそもこの2名、両親が離婚してその方合ったことないはずで、後に私の電話で少し話したぐらいだぞ。

 こりゃどういうわけかと不思議がっていると、その横には、下の異父妹と、当時小2ぐらいだったか、姪がおるわけです。なぜかその姪、母である異父妹の膝に乗っかっておりました。まあ、その年齢ならそれでもおかしいことはないから、そこは別に不思議には思わなかった。


 この後、私をしっかりと見つけたであろう姪が、突如、声をかけてきました。


「あ、おじちゃん」


 え?!


 なぜ驚いたかと申しますと、この姪は、生まれて間もない頃に諸般の事情で障害を負ってしまっており、自力歩行もしゃべることもできないのです(それでも先日、施設で成人を迎えました)。

 それがしゃべるとなったら、そりゃ、びっくりするわな。

 それこそセーラームーンの最初で、「猫がしゃべった!」レベルの話と言ったらさすがに姪に失礼だけど、そのくらいのびっくりよ。


 で、何を言ってくるのかと思ったら、

「*****という単語の意味、教えて」

とのこと。


 さあ、わからんぞぉ~。

 とりあえず、言葉の語感から、医学用語や法学用語ではなさそうに思えた。

 で、それ以前に、何語か?

 という問題。

 そこで私、高校時代に世界史で習った西洋の人名対照表を思い出しましてね、


 英語でチャールズ、ドイツ語でカール、フランス語でシャルル、スペイン語でカルロス、イタリア語ならカルロ・・・

 英語でヘンリ、ドイツ語でハインリヒ、フランス語でアンリ・・・

 英語でルイス、ドイツ語でルドヴィッヒ、フランス語がルイ・・・


 あれで大体、何語かを推測できるようになるのよ。何でも英語読みや通称読みばかりでやっていたら、どの国の人物かを特定しにくくなるからね。私が高校生の頃から特に、「原語に近い記述」を世界史教育では徹底されるようになってきておりましてね。まあ、左よりの批判的な人たちが、「プロイセン」を「プロシア」と書いていた確か共通一次の最初の年の問題の分析で、そこはドイツ語読みで「プロイセン」と書くべきで、そこを英語読みの「プロシア」とは何事か、とね。それでもって、「日本はアメリカの植民地じゃねえぞ」ってな調子で非難されていたこともあったっけ。


 こんな感じで前置ならぬ中置が多くなってしまいましたが、そりゃあ、私も考えましたよ。必死でね。

 でも、何語かさえもわからん。ましてや意味を言い当てろなんてとんでもない。

 しょうがないから、以前お世話になっていた学習塾の塾長さん(慶応大出身の方です)を探しに行こうとしたけど、おられるわけないわなぁ。


 結局、何語かもわからないまま、目覚めました。


 実はそれから約7か月後、異父妹に男の子が生まれました(2021年7月現在、小6です)。その時はちょうど、母親(異父妹であって、私らの母親じゃないよ)のおなかの中にいたことになるわな。ということは、そのやりとりをうちの甥も聞いていた、ということになるわな。

 なんか、結構いろいろ考えさせられましたね。

 今思うと、あれは、私が答えられるかどうかよりも、私の思考回路、思考材料といったものを観られていたのではないか、と、思えてならんのです。

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