第5話 謎の旅館

 昨日は、立ち飲みでビールを1本飲んでから、すし屋に行った。そこではビールを減らし、特上にぎりを食べて、鉄火巻きとしめ鯖を追加。2000円の割引クーポンをいつものように使って、2000円とちょっとの会計になった。本当なら4000円ぐらいする会計がこれなら、実に助かる。

 帰って、いつものようにウイスキーのロックを飲みながら、先日駅前の商店街の出店で買ったDVDの映画を見た。


 寝たのは、23時過ぎだったと思う。

 一度、3時半ごろにトイレで起きた気もするが、あまり覚えていない。

 朝方だったろうか。


 この日はなぜか、四国あたりの旅館に行っていた。

 風呂に入った。なぜか、シャワーの蛇口がたくさんある。温泉という感じでもない。

 やがて、夕食。そのときのことは、あまり覚えていない。

 確か、刺身の皿があったかな? 

 覚えていることは、その程度。あと何品か、小鉢のようなものがあって、それから、鍋もあったような、なかったような。

 でも、食べた記憶がない。

 とりあえずその後、酒を買いに出かけようとした覚えがある。

 だけど、実際に飲んだ覚えがない。それどころか、外出した先の記憶もない。

 そうこうしているうちに、ぐっすり寝ていた。


 夢を見ているときというのは、浅い睡眠のときだと言われる。素人考えで察するに、そのときはおそらく、再び深い睡眠に入っていたのだろうと思われる。


 やがて、目覚めた。

 どうやらそろそろ、朝食の時間のようだ。

 なぜかまた、風呂に入った。

 風呂には、誰もいなかった。

 そういえば昨夜も、風呂には誰もいなかった。


 風呂から帰ってきたら、暖系色のセルロイドフレームの眼鏡の仲居さんというのか、旅館のおばちゃんがやってきて、朝食の準備をしてくれていた。

 朝食も、やっぱり、食べた覚えがまったくない。

 そうこうしているうちに、チェックアウトの時間が迫ってきた。


 どうも、ゆっくりできた気がしない。

 もう一泊、させてもらおうと思い立った。

 番頭さんらしき男性従業員から、その日も、空いていると言われたような気がする。

 だが、翌日の宿泊をフロントで予約したかどうかも、記憶にございません。


 そのうち、その場で倒れ込むようにまた眠り込んだ。


 睡眠については知識がないのでよくわからんが、少し深い睡眠に入ったのだろうとは思う。あるいは、眠り込むという「夢」の続きだったのかもしれない。まあ、そんなことはどっちでもいいことだろうけど、それでも、いくらか気にはかかるものである。


 やっと、起きることができた。

 今度は、夢の中ではなかった。


 睡眠状態から、覚醒した次第である。

 つまり、布団の中で目覚めたというわけである。

 要は、起きた、ということだ。


 実は昨日、何かの予感がして、金曜日の宿泊を伴う出張の宿泊先のホテルをキャンセルしていた。どうも、忙しくなりそうだなと思ったからだ。

 実際、私自身のほうですることが、結構あるのです。

 先日壊れた20年物の椅子の代わりを買いに行って組立てることやら、とある大先輩の会社の年末調整の書類を仕上げることやら(出すのは来年の年明け)、学習塾対象の説明会でもらった資料を元勤め先の塾に配達することやら、市役所方面への幼児やら、いろいろあるにはある。それがところが、昨夜、映画を見ているときに入ったメールによれば、別の大先輩がバイクのけがで入院されたというではないか。

 朝起きて、携帯のメールを見ると、金曜日か土曜日のどちらかで昼に見舞に来てほしいとの仰せ。こりゃあ、忙しくなるわ。とても、出先で執筆なんて無理だ。

 ちなみにこの次の日曜も、結構忙しいときております。朝は郊外の丘の上のとある祭りに用事、帰って夕方からは、大学人による公開講座。その翌日は、いくらかゆっくりできる予定です。


 さて、その前に、今日は家賃の支払いとか、病院とか、書類の作成とか、朝のうちからいろいろと、するべきことがありますねん。

 朝ラーメンを食べに行こうかと思っていたが、病院に行くので、また血圧が上がっていたり、血糖値が不要に上がったりしても難なので、やめておこう。あと、サウナにもいくことが多いのだが、それも、明日にしよう。

 まずは、少し離れた喫茶店でコーヒーを飲んできます。


                     (終 2019.10.31筆)

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