第8話 万世一系の構想(前編)
天智の娘である第41代 持統女帝は、天皇家の正統な血統を 女系でもいいから残そうとしたのではないかと一説には高察されている。
持統の先代 天武は一部でその素姓が疑われており、その崩御後(686年)、天武の后 持統は自らと天武の間の子
当時、諡には その天皇の生前の業績などが反映されていたが、是に"血統を
天武帝の崩御後 3年の皇位の空白期間の後、持統は即位しているが、彼女にとって 目の上の瘤は 天武の長子
その事跡は 皇祖神 天照大神の「天孫降臨」神話に投影されたと臆度されているが、その妨げとなったのが、スサノオの子 大国主命。私は 天照大神の妹背 スサノオを天武天皇だと見立てているが、このことからも"大国主=高市皇子"の存在が、持統の政権構想・運営上、障害となっていたことが窺われた。
私は、天智の娘 持統は 先代 天武を否定したかったのではないかと狐疑している。
だが、至尊の座に就いたとは言え、強大な対立勢力が存在している場合、そのようなことが 大っぴらにできるはずもない。さりとて 何もしないのも癪に触る。そのような状況下で、女傑 持統は一体どうしたのか? 私は、彼女の苛烈な性格から鑑みるに、持統はカモフラージュしつつも、神話において 象徴的な位置にある人物を 自らと近しい人物と置き換え、密かにマウントしていたのではないかとニラんでいる。それは 事実だとすれば、一歩間違うと、対立を激化させかねない大胆不敵な行動だった。
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