第6話ー心霊写真ー

 啓介の話も終わり、再び涼の番が回ってきた。


「結構短い話が多いな」

「まあ一晩で百話だろ?あんま長々やってたら終わる前に夜が明けちゃうよ」

 ぼやいていた修也も啓介の言葉に納得したのか、菓子の袋を空けながら涼の話を聞く姿勢を取った。


「じゃあ俺も、都市伝説くらいのやつを」

 涼はペットボトルからジュースを一口飲むと、声を少し低くしながらぽつぽつと話し出した。



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 心霊写真ってあるだろ?

 あれさ、写真の中で体の一部が消えてたらその部分をケガするって言われてるんだよ。

 でも、もし心霊写真が撮れたら、それを回避する方法もあるらしいんだ。


 しかもこれが凄い簡単でさ。

 その写真を誰かに押し付けるだけだって。

 それで相手が三日以上その写真を持ってたら、心霊写真とともに呪いの所有権が移るとかなんとか。


 まあ胡散臭いよな。

 そもそもこれがちょっと古い話だし。

 だってほら、今はスマホで写真撮ってもわざわざ印刷なんてしないじゃん?


 データで代わりに、つっても心霊写真送りつけて相手が保存するかって言ったら……な?


 ところがだよ、あるんだよ。その呪いを押し付ける方法ってのが。

 ネットでさ、拡散しちまうんだよ。

 SNSでも掲示板でもなんでもいい。


 オカルトとかそういうのが好きな人間が集まるところにアップして、自分はその写真を消しちゃうんだ。


 心霊写真とか好きな奴が誰かしら保存するだろ?

 それではい完了、自分はもう安全!

 印刷した写真を押し付けたり、気づかれないように鞄に入れたりってのはある程度顔合わせる相手じゃないとダメだけどさ。

 ネットなら知らない人間だから後腐れも無しだ。


 だから、まあ、なんだ。

 心霊写真とか見つけても、絶対保存しちゃダメだぜ?

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