全然知らないけどありがちな悪役令嬢に転生した物語を感覚で書いてみた

向井一将

第1話全然知らないけどありがちな悪役令嬢に転生した物語を感覚で書いてみた

(あーーー!この王子様くっそイケメン!最&高~!)


 私の名前は喪女山喪女子!乙女ゲーが大好きな32歳独身人生で1度も彼氏ができたことが無い所謂喪女ってやつ!物心ついたころから乙女ゲーしかしたことなくて今まで99999本の乙女ゲーをクリアしたわ!


 そんな私は今も記念すべき1万本目の乙女ゲーをクリアすべく1週間寝ないでゲームしてるところ!


(うう…ものすごく眠い…でもこのゲームのtrueエンドを見るまでは絶対にやめられない…)


 極限な睡魔に襲われつつもゲームを進めていると突然目の前が真っ暗になった。


(あーーーやばい…多分これ…ゲームのやりすぎで死ぬやつだ…)


 こうして私の意識は深い闇の中に消えていった。



 「―――ですわ!―――ですわ!」


 ふかふかのベットの感触、柑橘系の香水の匂い。誰かに揺り動かされる感覚で目を覚ますとそこには中世風のドレスを着て肩までかかる長い金髪を緩く巻いている美人の姿が見えた。


「うっ…う~ん…ここは?」


 確か私は自室のかったい椅子の上で死んだはず…今までの状況との違いに混乱をしているとその人が私に向かって叫んだ。


「これから王族とのパーティですわ!早く準備をするんですわ!」


 パー…ティ…?


 混乱する頭の中ふと目の端にある大きな鏡越しに自分の顔が見える―――


(金髪でツリ目で巻き毛!これはっ…!)


「私悪役令嬢に転生しちゃったんですわ!?」


 自然と語尾に「ですわ」とついたのだから間違いないだろう。私は今確実に死ぬ前にやっていた乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまったのだ。



「―――だぜ!―――だぜ!―――だぜ!?」


 流れでパーティに来ることになった!この目の前で喋っているあごが尖っていて黒髪短髪のイケメンはこのゲームのメインキャラの王子様!なんか次の王様になる人!


 私は昔からこの王子様と親交があって許嫁なんだけどゲームの流れだと主人公の女がふわっと流れで私を悪者にして私1年後くらいに死ぬっぽいの!何とかして回避しなきゃ!


「―――です!―――です!」


「…だぜ?…だぜ?…っ!?…だぜ!!!」


 ほーら主人公の女がなんか王子様に吹き込んで私が悪い流れになったでしょ?


「でもそれは違いますわ!私は王子様の未来の事を考えていろいろと!…こう…その辺も考慮してるからこういう感じになるんですわ!」


 一応私が王子様の事を思っていろいろとやってたってのを伝えてるんだけど全然伝わってないみたい…


「婚約破棄だぜ!」


 ほーら婚約破棄の流れになった


「実は私も転生者なんです」


 主人公の女も転生者だったのね


 このままだと流れで私が処刑される!そう思ったときパーティ会場の重い扉が勢いよく開きメガネをかけてるイケメンが飛び込んできた。


「僕は昔からこの人の事が好きだったんだよ!婚約破棄をするなら僕が結婚を申し込むんだよ!」


 なんか主人公の女がゲームとは違う行動をとったことでいろいろ変わったらしく隣の国(この国の100倍すごい)の王子様が私に求婚してきた。


(え!なに!この感覚…!もしかしてこれが恋!?)


 颯爽と私のピンチに現れるしメガネかけてるし王子様だしすっごい惚れた。



 結果的に私は隣の国の王子様と付き合うことになった。


「うーん…困ったなあ…悩むなあ…」

「それは腐葉土を使えばいいんですわ」

「腐葉土!君は天才だよ!」


「うーん…困ったなあ…悩むなあ…」

「それは悪い貴族を殺せばいいんですわ!」

「悪い貴族を殺す!君は天才だよ!」


「うーん…困ったなあ…悩むなあ…」

「それはお菓子を食べればいいんですわ!」

「お菓子を食べる!君は天才だよ!」


 王子様と暮らす中いろんなトラブルがあったけどそれは私の現代知識を使ったアイディアで全部解決し流れで世界も救っといた。


 そんな暮らしをしているとある日元の国の王子様から手紙が届いた。


【この前婚約破棄とか言ってごめんだぜ!俺にはやっぱりお前しかいないんだぜ!】


(良かった…あの時私が言った言葉の意味がようやく分かってくれたようね…)


 ゲームとは違って隣国の王子様と婚約することになったけど…それでも私は…元のゲームの王子様も忘れられない…


「―――ですわ!ですわ!ですわ!」


「いいよ」


 必死の説得もあり何とか元の国に帰ると―――


「だぜ?だぜ?だぜ!」


「王子様と結婚したら楽な生活できると思ってたんだけどいろんなマナーとかめんどくさくてそんなこと無かったです」


 お城に向かうとそこにいたのは呆れた顔の王子様と不機嫌そうな顔で愚痴を漏らす女主人公だった。


「―――ですわ!」


 私はめっちゃくちゃいい言葉を言うと


「惚れ直したんだぜ!」


「目が覚めました私は下町のそこら辺の男と結婚します」


(よかった…分かってくれたようね…)


 その後いろいろあって両方の王子様と結婚してすっごい幸せになった。

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全然知らないけどありがちな悪役令嬢に転生した物語を感覚で書いてみた 向井一将 @mukaiishoo

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