第11話 衣笠
雨の音だ。
隣の家のトタン屋根が、響き続けている。
よだれで濡らしてしまった畳と口元を、転がっていたバスタオルで乱暴に拭いた。
まだ1時だった。
洗い物をしていたら足が痛くてやってらんなくなったから、一息入れるために横になったら、案の定寝入ってしまったようだ。
まだ半分。
そう、だ。
まだまだ、でも、大丈夫。
明日には、片がつく。
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