第3話 とんぼ返りもいいとこで

寒い。


窓に貼った段ボールが、冷気を遮断してくれるとかなんとか、ライフハックとは名ばかりか。

いまいち信用おけないところを見たから余計か。


いや、んなこたどうでもいいが。


すっかり夜中だ。

風呂上がってからかれこれ2時間、スマホの画面とにらめっこしてるわけだが、何にもならん。

眠くもならなきゃ、腹は減るわで生産性のかけらもないね。


そういや、ケータイってあんまり呼ばなくなったか?


スマホって言葉の方がすんなり出るようになった気がする。

現代人に遅れを取っていたと思っていたが、どうだ、追いつき追い越すところまで来たんじゃないか?


こいつはいい。

深夜に取り残されてはいるが、世界には取り残されずに一緒にくるくる回ってるようだ。


それだけでも十分だな。


まぁ、だからと言って、何かになるわけでもないし、腹も満たされなきゃ、寒さが和らぐ訳でもないが。


おいおい、いい加減右足が痛いくらいだよ。


はぁ。

布団には入っておくか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る