第2話 天才と先生と

頭が良すぎるから、脳はその働きを抑えなきゃいけない。

自分で、自分に枷を付けなきゃ、体を守ることができなかったのさ。


先生は、そんな彼を守っているんだ。


どうして君にそれがわかる?


僕も一緒ですもん。

僕には彼が考えてることがわかんですよ。

彼と同じ側ですから。


では、ではなぜ君は普通でいられるんだ?


僕の場合は、自分を殺すことで、考えることを抑えてますから。


でも彼は、自分を殺してはない。抑えてるだけです。


自分のやりたいことができるように、そしてできるだけ長く死なないように。

その違いです。


僕は臆病だから、生きていられる。

でもそれは、自分を殺しているんです。


だから、彼がよくわかる。

でもその分、とてもとても彼が羨ましくて仕方がない。

僕もああなれたら、そう思うんです。


死ぬことと、天才であることが天秤にかけられるわけないだろう!

君は!不謹慎も良いところだ!


ですよね。僕もそう思います。

最低だなって。

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