第3話

放課後、体操服に着替え達也と一緒に体育館の2階に行くともう先輩達は練習していた。


「あっやっと来た。」

「この人が風間が言ってた子達?」

「うんそうだよ」


「集合」

男子の主将らしき人が集まれという合図をする


「まず俺が3年男子キャプテンの榎本えのもと れんだよろしく。」


男子のキャプテン凄いごりマッチョな感じで威圧感凄いという印象だ。

どう見ても卓球してる人の体つきじゃないだでしょ。


「にっ2年副キャプテンの武田たけだ 健太けんたでしゅ、よろしゅく・じゃなくてよろしくお願いしゅます。」


ちょっと噛みすぎてて少し笑いそうになったが何とか堪えられた。

とりあえず凄い噛んだなあの人。

緊張してるのかな。


「そして私は、3年女子キャプテンの橋口はしぐち香澄かすみです。よろしくね。」


さっきの先輩達が印象が強すぎて真面目に見えるのだが


「最後に私は2年副キャプテン 風間かざま のぞみ です。よろしく。」


「よし俺達の紹介はこんな感じとして、最後はまだ仮入部だが右から自己紹介よろしく。」


右からというと達也から自己紹介になるのかどんな事言うんだろ。


「はい、1年の風間 達也です。目標は全国優勝を目指していて卓球部に入ろうと思ってます。よろしくお願いします。」


凄い。凄いとは思ってたけど全国優勝を目標にしてるのか。


「同じく、1年の瀬川 学です。初心者ですがよろしくお願いします。」


ふぅ緊張したけど噛まずに言えて良かったー

自己紹介って本当に緊張する。


「同じく、1年の永瀬ながせ あやです。中学でも卓球をやってました。入部するつもりでいるのでよろしくお願いします。」


って僕一人初心者かちょっと不安。


「よし実力も見たいから経験者はオールするか。」


キャプテンそれは夜のことですか?

僕が首をかしげていると


「ちょっとキャプテン初心者の瀬川君はどうするの?」

「風間が教えてくれないか。俺は教えるのが苦手なもので」

「えっ私?ムリムリ」

風間先輩が首をふる。

「頼む、どうか面倒みてくれないか。」

「しかたない、キャプテンがそこまで言うなら引き受けます。」

風間先輩はキャプテンの必死のお願いに折れたのか引き受けてくれるらしい。


「瀬川君だよね?」

「はいそうです。」


「まず基本からいくよ。ラケットを持つときは2種類の持ち方があって、ペンを握るような持ち方と握手するような持ち方があるの。」

「はい。」

「まず持ちやすい方で持ってみて」

知らなかった。いつも温泉でやってるあの握り方が基本だと思ってたけどもう1種類あったのか。

ラケットを右手で持ってシェイクハンドとペンで持ってみる。


「どの方法が持ちやすかった?」

「握手する持ち方が持ちやすかったです。」

「それがシェイクハンドっていう持ち方なの」


「次に構えだけど、肩幅より少し足を開いてラケットは胸の前で構える。」

先輩の言われた通りに構える。


「次に打ち方なんだけど。まずラケットを引いて斜め前に振る。これがフォアハンドっていう打ち方。

ポイントとしては手で打つというより体を使って打った方が綺麗に見えるから意識して一回振ってみて」

「はい。」

教えられた通りに振る。


「そうそれ。球出しするからさっきの打ち方で打ってね。」


そして風間先輩が球出しをしてくれた。

一度自分のコートでバウンドしたボールを教えられた通りに打ってみたがオーバーして入らなかった。


「少しだけラケットの角度を被せるようにしてもう一回振ってみて。」

「分かりました。」


角度を変えてラケットを少し引いて体で打つような感じで斜め前に振ると次は見事に入った。


「先輩の教えた通りにしたら入りましたよ。」

たったコートに入れただけだけどあんなに簡単に入れることができたのは嬉しい。

何よりやってて楽しい。

もっと打ってみたい今はそんな気持ちになっている。

「おめでとう。これをもう少し続けようか。」

「お願いします。」


こうして先輩にフォアハンドの打ち方を教えてもらって今日の練習は終わった。

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