年の離れた女性2人のバディ物、と言っていいのでしょうか。
作者様は短い言葉で物事をシニカルかつユーモラスに切り取る名手ですが、こちらの作品では長くなった分だけ作者様の持つ人間に対する暖かな眼差しが浮き上がってみえます。
若い方なら田舎のおばあちゃんのタンスをおしゃべりしながら一緒に覗きたくなるような、
働き盛りなら身につまされたり選ばなかった自由を思い出してみたり、
中年以降なら憧れと前向きな気持ちを得られたり……。
世代によって受け取る思いは異なるかもしれませんが、ひとのクローゼットをそっと覗かせてもらったかのように、読むとどこかでハッとさせられることがあることと思います。
もっとたくさんのひとに読んでもらいたい、世代を超えたファンタジックな作品です。