第四話 稽古

突然、畳の部屋から人が倒れる音がする。急いで駆け寄ると、水を持った花音が倒れていた。

「おい、花音!!」

「……」

何度呼びかけても目覚める所か、唇を真っ青にして魘されている。すると、宵さんは乾いた布団を敷き、花音を寝かし付ける。

「暫く、置きましょう。悪夢に魘されている時は何も出来ませんから。」

静かに、彼女はそれだけを言い、庭に出る。特にすることもないので、自分も付いて行く。

ただ、次の一言は少し意外だった。

「蒼真様……でございましたね。よろしければ、体術について稽古をつけますが……よろしいでしょうか?」

暫く、間を置いた俺の一言は


「ヘ?」

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