第二話 宵

「すみません……」

 と、女性の声がする。別に女性の声であることは問題ない。この

「どちら様ですか」

 俺は少し睨みを効かせて問う。脅したつもりなのだが、全く効いていない様であった。すると、彼女は涼しい顔で言った。

「花音……花音様はいらっしゃいますか?」

 少し間を開けて、口を開く。

「居ますが、寝ています」

 何か嫌な気配が漂う。

「私はよいと申します」

 静かな物腰で彼女は名乗った。

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