第三話 家主
幾ら叫ぼうと、微塵も音を感じることが出来ない。そう、誰も居ないのだ。喉が渇き、息をするごとに激痛が走る。家の前で疲れて座り込んだ時だ。小さな影がこの
「どうしましたか?」
声は高く、ゆったりとした口調だ。第一印象は大人しい女の子と言う所。
「道に迷いまして……」
すると、女の子はポケットから何か出す。
まさか小型の隠しナイフでも仕組んでいるのではと思い、身構える。だが、取り出したのは銀色の
「どうぞ。」
優しいその声は、一瞬だが俺の昔の日々を暖かく包んでくれた、気がする。
✿❀✾✿❀✾✿❀✾
「失礼します……」
平屋の家の中は独特な雰囲気で、何もしていないのに足が竦む。客間に案内され、彼女は台所らしき所に行った。
客間には、書物や呪符があった。彼女は神主兼陰陽師なのだろうか?とにかく、深く詮索しない事に越した事はない。どうせ左腕の痣を見せたら追い出されるんだ。だが、人間は興味を持ってしまうと知りたくなってしまう欲がある。俺は彼女がまだ来ていないことを確認し、それらに触れてみようとする。だが、案の定結界が張られており、触れる事も叶わなかった。
そして、その直後だ。
俺の人生を変えたのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます