第30話 創世神話

 天にまします我らが父たる神は、大地を作り、そこに様々な生物を作り出しました。そして、最後に我々人類の先祖である。アダモとエヴァという、男女を作りました。



 永遠に花が咲き、実がなる楽園を作りそこに2人を住まわせました。だけど、アダモはとても馬鹿で、エヴァはとても凶暴でした。神はとても悩みました。


 そこで、神は、知恵を与えるために、アダモに新たなる妻を使わし、エヴァには、自分に使える天使の一翼を使わし穏やかにさせようとしました。


 しかし、エヴァは、使わされた天使を喰い殺しその力を取り入れたのです。神はとても怒りました。そして、エヴァを追放するために、破壊の力を持つ自分の息子を地上に送り込んだのです。エヴァは、自分の分身達を作り、対抗しましたが、破れ楽園から去っていきました。神は、彼女の一族を悪魔、そして、エヴァを悪魔神と呼び、とても嫌いました。



 こうして、平和がおとずれるかと、思われましたが、今度は、エヴァを追放するために自分が送り込んだ息子が、楽園をとても気に入り、自分のものにするために、破壊神を名乗ると共に、楽園からアダモ達を追放し、自分と天使達の楽園としたのです。



 神は、怒り、彼に味方した者たちの天との繋がりを断ちました。こうして、破壊神と、堕天使が誕生したのです。



 しかし、楽園から追放されたことで、働かないと食べれないことを理解したアダモ達は、働き始め、そして、子供を作り、子孫を残し始めました。そして、時が流れ、1000年が過ぎ、アダモの妻が亡くなりました。アダモはとても嘆き、神に祈りました。



 神は、その祈りを聞き届け、自分の息子に死者の国を作らせて、そこの管理を任せたのです。



 冥界と、冥界神の誕生です。死者が安心して暮らせる地の誕生でした。だけど、冥界神は、とてもめんどくさがりやだったのです。仕事をさせるために、人間を殺し死者を増やして働かせました。神は怒りました。そこで、死者は、一定時間冥界で過ごすと再び人間として、生まれ変わるようにしたのです。こうして、神と冥界神のイタチごっこにより、人間のとても長かった寿命は短くなったのです。



 人間達は、寿命は短くなったものの、平和に暮らしましたが、何万年も過ぎると、増長し、悪意を持って神に歯向かう者たちが出てきました。とても高い塔を建て、神の国への侵攻を考えたり、悪魔神や、破壊神と組んで地上の支配を目論んだのです。神は、怒りました。



 そこで、心優しき1人の男に声をかけ、その者に、同じく心優しき者たちと、動物たちを、集めさせたのです。そして、とても大きな船を与えました。皆がそれに乗り込むと、自分の息子の1人海神に命じて大洪水を起こさせたのです。



 地上は、水に覆われました。しかし、船に乗った者たちは、無事でした。彼らは、水が引くまで、何年も待ちました。そして、水が引くと大地に再び上陸し、繁栄したのです。これで、心優しき人類だけが栄えたのです。



 しかし、心悪しき者たちも、数は少ないものの生き残っていたのです。日に当たらなかったので、肌は青白くなり、塩水によって、目は真っ赤になって、髪は、脱色され銀髪となっていました。彼らは、魔族と呼ばれ、日の当たらない場所で、細々と暮らしていました。



 さらに長い、長い月日がたちました。破壊神、大魔神、そして、冥界神は、人間達の暮らす豊かな大地が羨ましく思っていました。そこで、魔族に力を与え、人間と戦わせたのです。魔族は徐々に力をつけ、その中で強い者たちが、魔王を名乗り、大魔王を名乗り、最後には大魔神を名乗る者まで誕生したのです。



 神はとても怒りましたが、破壊神、悪魔神、冥界神によって、地上に対する、影響力を阻害されていたのです。神は、焦りました。そこで、自分の息子達のうち、言うことを聞いてくれる。海神や、戦神、大神を派遣すると共に、12勇者、そして神の遣いを送り込んだのです。



 激しい戦いが行われましたが、神は勝たれたのです。破壊神、悪魔神、冥界神、大魔神は、闇の世界に閉じ込められ、人類は再度の繁栄を遂げたのです。以上が、神の創世神話です。








「はい、神父様!」


「なんですか?」


「神様って馬鹿ですか?」


「う〜ん、どうでしょう」

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