第22話 決戦ヨコファーメ島

 勇者カミヤの呼びかけで、ヨコファーメ島での大魔王との決戦に向けて、キャットハウスに集結した冒険者達。



 勇者カミヤを筆頭に、元魔王四天王にて魔獣王ウーマ・ジョーこと、マスター。そして、酔えば酔うほど悪くなる武闘家バッカスオサダ。俺に揃えられない素材はない、元カナリア王国特殊部隊員にして狩人マスターゴトー。そして、体は大人、頭脳は子供その弟子イケメン狩人ハッタ。



 足りないのは実績だけ、若き情熱の勇者アオ。顔のでかさと、態度のでかさは誰にも負けない、戦士タク。体は子供、顔は大人美しき女魔術師ユナ。そして、ザーマ神殿の謎神父のわたし。





 残念ながら、賢者グレン達は、仕事でザーマシティーを離れていた。



「なんだよ〜。グレン達いねーのかよ捨てごまに使えっと思ってたのによ! まあ、良いか! 勇者アオ達いるし!」


「捨てごまですか?」


「そっ、アオ君達、待ち構えてる魔物軍団に突っ込んでってくれれば良いから。その間に俺達、洞窟に突っ込むから」


「カミヤさん! いくら何でも、可愛そうですよ!」


 マスターが、すかさずフォローする。



「じゃあ、マスターやってくれるの?」


「はい、わたしと、オサダさんと先生がいれば大丈夫ですよ」


「わかったよ。じゃあよろしく」





 こうして、我々は、ヨコファーメ島に出発した。馬車で向かう。3日ほどでフォズーガの街に到着する。そして、翌日ヨコファーメ島に向かうために海岸ヘ向かう。





 そして、勇者カミヤは海の上を走り始めた! 続いて、オサダさんとマスターが続く。そして、わたしは海上をふわふわと追っていく。魔術師ユナも浮遊魔法で追ってきた。勇者アオは、少し走った所で海に体が沈み、そこからは全力で泳いでいる。



 さらに、狩人マスターゴトーは、弓を構え、ヨコファーメ島に向かって矢を射る。その距離約5km、弓を45°の角度にして放つ。矢にはロープが結ばれていた。束になって巻かれていたロープが凄い勢いで、なくなっていく。少しすると、ロープの勢いが落ち、停止した。すると、狩人マスターゴトーは、余ったロープを後ろの木に結び固定する。



「ハッタ! 俺が渡過した後で、続け!」


「イエスサー!」



 そう言うと、ロープの上に飛び乗ると腹這いになり、右足をロープに絡めると、両手でロープを手繰るように進み始めた。そして、5分ほどたった時。


 今度はハッタがロープに飛びつく。そして、両足を持ち上げ、ロープに絡める。そして、両手を交互に動かして、ぶら下がったまま進んでいった。ゴトーには劣るがなかなかのスピードだ。



 そして、最後に茫然としていた戦士タクが動く。ロープに向かってジャンプする。そして、捕まった瞬間ロープが切れる。タクは、切れたロープを見つつ、茫然と立ち上がった。その瞬間だった。飛んできた矢がタクの体を貫く。



「ゲフッ!」



 戦士タクは、口から血を吐く。そして、タクを貫いた矢は特殊な矢のようで、タクを貫いた後、傘のように開いた。そして、矢にはロープが結ばれていた。ロープが引かれると、タクの体に傘の部分が引っかかり、そのまま戦士タクの体を引きずっていった。戦士タクの体は、ロープに引っ張られ、海中に消えた。






「よし! 全員無事に渡れたな!」


「無事じゃないって!」



 見ると、戦士タクには、たくさんの海藻やゴミが引っかかっていた。



「じゃあ、やりますか!」



 勇者カミヤが正面を向く。そこには、無数の魔物軍団がいた。

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