第3話 ノア 哀願す!
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
高熱にうなされて目を覚ますと可愛らしい幼女のメイドちゃんがいた。
な、何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのか? わからなかった……
まさにポルナレフ状態!?
「いやいや」とノアは頭を振るう。
「確か、メイドちゃんのキャラ設定は……」
可愛らしいメイドちゃん改め、メイドリーは前世でプレイしていたエロげー『どきどき純愛凌辱シリーズ 魔法学園のエッチな私たち』の攻略対象。
それも出現率が低いレア演出を何度もクリアしていき出現する隠しキャラ。
ゲームだった頃の役割は悪役令嬢(つまり自分だ)から主人公たちへ送られてくる刺客。
ノアに妄信的な暗殺者的な立場であったが、主人公との直接対決に敗れた後は彼の優しさに心を揺さぶられる。
そうして、メイドちゃんがノアに対して妄信的な忠誠心を持っているのは、幼少期にノアが彼女を庇い、背中に傷を負ってしまった出来事が由来であると発覚する。
しかし、ノアの傷はすぐさま治癒魔法によって消えていて、メイドちゃんに強い主従関係を刻みつけるために偽の傷を見せていた事が明らかになる。
まぁ、メイドちゃんルートだと、それが原因で性奴隷に堕とされて……
「いやぁぁぁ! 触手のぬるぬるがわたくしの大切な場所に! わたくし……嫌なのに……嫌なはずなのに……こんなにも……しゅきいいいいいいい! これ、気持ちいいぃぃぃぃぃ!?」
なんて逆さづりにされて触手攻めにあうのさ……
「……この俺がな!」
なんて言うくらいにノアは余裕があった。
「なんせ、凌辱ENDを回避するには、メイドちゃんが主人公に言い寄られなければいいのだから! それに彼女を庇って背中に傷を負わなければいい……いや、負ったとしても治癒で治ったよ!ってすぐ伝えればいい」
「あの……お嬢様? 先ほどから1人で何を喋っているのですか?」
「いや、なんでもない。ただの予習復習だ」
「失礼ながら、まだ横になっていた方がよろしいのでは……」
「必要ない。すぐにパパとママに会う」
ノアは言うが早く、寝巻を脱ぎ捨て着替えを……
「で、できない。 なんでこんなに着にくい構造になっているんだ?」
「お嬢様、お手伝いいたします」と音もなく背後に立っていたメイドちゃん。
確かに、令嬢は1人で服の着替えをするものではなく、お付きの者に手伝わせていた……というゲーム内設定をノアは思い出す。 なお、ゲーム内ではイケメン主人公がヒロインの1人に服を着替えされるなんてイベントもあった。
「それでは失礼します」とメイドちゃんは慣れた手つきでノアの体に服を着させていく。
幼女の温かい手が背中に直接触れたり、「んっ……締め付けはいかがでしょうか?」と言葉と共に息が触れるほどの近さ。
(や、やばい……このままロリコンに目覚めてしまうぅぅぅ。 NOタッチ! YESロリコン!)
新たな趣味の扉が開きなりそうな感覚に満喫……いや、耐えながらも着替えをすませたノア。
今後も着替えの度に同じことを味わうのだが、それは考えない事にした。
そして、ノアは両親の部屋を訪ねた。
「あらノアちゃん、もう動いで大丈夫? 熱は下がったの?」と母親。
まだ若い。なに不自由なく育った貴族の令嬢といって感じで、おしとやかとのんびりとした性格のようだった。 10代のように見える美貌だが実年齢は20代前半らしい。
実の娘であるノアが6歳と言う事を考えれば……
いや、日本でも戦国時代や江戸時代の大名が政略結婚で10才に満たな子供が結婚していたんだ。 中世ヨーロッパ風のエロげー世界で貴族の結婚感というよりも倫理感に疑問を持つ方がおかしい。
だが……
「おぉ、どうしたノア?」と母親に続いて姿を見せた父親。
2メートルを超える長身のマッチョ。 髪型はサリーちゃんのパパやウルトラの父みたな角型ヘアだ。 髭も似たようにカールしている。
このマッスルボディの父親と幼な妻と言える母親。これがノアの両親である。
「実はパパとママにお願いしたい事があります」
あまりにもかしこまったノアの様子に両親は顔を見合わせる。
「実は武道を修めたいのです」
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