「殺人の追憶」 監督:ポン・ジュノ
上映時間は130分。
2003年に韓国、それに東京国際映画祭でも上映されて、その後、各国の映画祭で作品賞や主演男優賞を授賞するなど、高い評価を受けた作品です。
監督のポン・ジュノは、カンヌのパルムドールとアカデミー賞外国語映画賞を授賞した「パラサイト 半地下の家族」で
実はポン・ジュノは、2008年から2013年まで続いた保守派で右派の
本作品で、主演の刑事をつとめるソン・ガンホは、韓国の国民的な俳優で、「パラサイト 半地下の家族」では半地下アパートに住む一家の父親ギテクを演じ、「グエムル-
さて、「殺人の
未解決といっても、2003年当時の話で、
首都ソウルから南南東にある
農村地帯の田舎で、10代から70代までの10名の女性が、似たような手口で強姦殺人されたのです。
実際の
時は、
夜間は訓練とはいえ、空襲警報が鳴り響き、
そんな夜には、警察署も例外ではないため、刑事は懐中電灯で資料を照らすはめになる。
市民が警察に対して向ける目は、決して温かいものではなく。
というのも、警察が事件の容疑者を
事件現場に向かうまでに、エンジントラブルなのか、何度も故障するパトカー。
そのパトカーを、数人がかりで後ろから押す刑事たち。
容疑者の監視を続け、肝心なところでエンジンがかからず、取り逃がす場面さえある始末。
作品の冒頭で、ソン・ガンホ演じるパク・トゥマン刑事は、子供たちにさえヤジを飛ばされます。
殺人事件の現場だというのに、現場保存さえなっておらず、近くで子供たちは走り回り、野次馬も寄ってくる。
そんな中、
何と、土をすき起こすのに
そんな第1の事件が起きるのは、10月20日。
パク・ポヒの遺体が、用水路で発見されます。首を
後日、この場所の
第2の事件は、2か月後の12月19日。
パク・ポヒと同様の手口で殺されたイ・ヒャンスクは、ある青年から付きまとわれていたことが分かり。それは焼き肉屋の息子、ペク・グァンホ。
グァンホには、左頬と両手の指にやけど
気が弱そうで挙動不審。
そんなグァンホを疑う刑事たち。
捜査課長は、体面重視で事なかれ主義。
刑事たちは、グァンホを山へ連れて行き、
「線路近くの田んぼ。ヒャンスクの首を彼女のブラジャーで
と、刑事は確かに誘導尋問はしたものの、犯行の順番まで証言していて、どう聞いても
そこでパク刑事は、グァンホの靴を盗み出し、パク・ポヒ事件の現場で耕運機が踏みつぶした場所に、その靴で足跡をつけて写真を撮ります。
証拠の
捜査が進展するのは、警察の拷問による自白の強要が表面化して、新しい課長が
共通するのは、犯行手口だけでなく。
被害者はどちらも赤い服を身に着けていて独身。
犯行が行われるのは、雨の降る夜。
そして決まって、犯行前と思われる夕方のラジオ番組で、視聴者からリクエストされる「
その歌をリクエストしていた者が、犯人なのか。
そいつは見つかるのか。
それがグァンホでなければ、なぜあんな証言を?
増える被害者。
エスカレートする犯行の
情けないことに、パク刑事は犯人の姿を
公開当時には、未解決だったこの事件。
果たして、作中では犯人は見つかるのか。
見つかるとしたら誰なのか。どんな
ロングショット(被写体とカメラの距離が遠く、被写体の全体が見える場面)の撮り方が、実に上手い作品です。
光と影の使い方が
それは「グエムル-
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