砂瑠璃を探して

ハクは骨を損傷し内出血もひどく、暫く療養となった。シュウシュウは頭部を出血したものの、特に後遺症もなく数日で回復した。葉月と多英は泣いて喜び、甲斐甲斐しくシュウシュウの世話をした。



シュウシュウはその間、ずっと砂瑠璃のことを思い出していた。洞窟での出来事はシュウシュウにおぼろ気な記憶であり、ハクのことを考えると申し訳ない気持ちだったが、砂瑠璃があの後、自分の側にいたことを考えると「砂瑠璃様は自分を探しに来てくれたのだ」と胸が高鳴った。



だが、真一文字に、顔に赤い血筋があった。怪我をしたのだろう。目の下だった。もう少し上であれば失明していた。



そう思うと心配で居ても立ってもいられなくなった。



葉月達がシュウシュウが回復したので、多英と葉月が何やら笑いあってるのをシュウシュウは知るとそっと自室から抜け出した。



もしかすると、まだ宮中に砂瑠璃様がいるのかもしれないと。



人知れず宮中をさ迷った。シュウシュウに運は味方していた。誰にも見つからずにいた。そして、医官の元へ行けば、砂瑠璃の様子が聞けるかもしれないとそこへ訪れたのだった。

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