駆けつけた砂瑠璃
シュウシュウは全く目を覚まさなかった。リャン達は木と布で担架を作りシュウシュウを乗せた。
ハクは馬に乗りシュウシュウの方に眼差しを向けてから、馬を歩かせた。自分の体もまだ痛むが、シュウシュウのことが気になってならない。
ハクは眞の六番目の王子であった。拐われたとあったが、眞出身の母を持つ多喜がハクを見つけてその事実を知ったがひたすら隠して育て上げた。ハクが立派な若者になると、眞の王に息子が生きてることを告げた。
眞の王と王妃の喜びは大変なものであった。多喜宰相の言うことなら何でも聞く勢いであった。
多喜は、若い頃は東新の王に満足していたが、跡継ぎがいないことを気にしていた。いるにはいるが、皆短命であった。そして、今は二人、幼い王子達だが、一番相応しいのはハクであると信じていた。
多喜はわかっていた。生き延びる者は決まっている。そしてそれはハクであり、新たな国王に相応しい。眞の国王ではない。東新と眞、両国が結合する時が来る。そしてその王になるのはハクだ。
多喜は何十年と水面下で時期を見ていた。ハクに事実を話した時、ハクは戸惑っていた。だが、多喜はハクが運命を受け入れることを信じていたが、いま、ハクはシュウシュウを手に入れたいが為に決心したのだった。
黒装束のリャンは歴史が変わることに興奮していた。興奮したまま、仲間達と慈恵安泰婦人を運んでいた。
そこへ己龍達が現れ、さっとリャン達は担架を置いて去った。何も知らない己龍や部下達がシュウシュウを運んだ。
そしてまた人が現れたかと思うとそれは砂瑠璃達であった。
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