第9章 死霊の館
「おう、来たか」
あれから一時間後、無事病院を脱出した咲原と杉山を、吉田宅で待っていた二人が迎える。
「ええ、それなりに手間はかかりましたがね」
杉山だ。二人であれから病室の偽装工作をしてからこっちに来たのだ。一応今日は検診もないので、バレることはないだろう。
「まあ無事脱出出来たようでなによりだ。お前達、準備は出来ているか?」
「ばっちりです!」
「いつでも行けます」
杉山と咲原が返事をする。徳田達と合流したらすぐに屋敷に向かえるように、用意出来ることは先にやっておいた。
「一応荷物確認だけしようか。お互いに何を持ってるか知ってた方が動きやすいし」
吉田だ。確かに、その方が行動は取りやすいだろう。吉田のアパート内にいる今なら物資補給もしやすい。徳田も杉山も賛成したため、お互いの荷物確認が始まった。
「じゃあ俺からですね」
そう言って杉山が見せた荷物には、財布や飲み物以外には大したものは入っていなかった。強いて言うならば咲原が渡した懐中電灯や非常食。
一応壊れたケータイもある。咲原が事件現場から見つけたものだ。
しかし、起動しないから気休めにしかならないだろう。
「杉山、お前武器はないのか?」
徳田が聞いたが、杉山は首を振った。
「あるわけないじゃないですか。病院出てからコンビニくらいしか行ってないんですよ?」
「そうか…」
徳田はそう言って自分のカバンを開ける。
中から昨日使った改造スタンガンが3つ出てきた。
「徳田さん、そのスタンガンまだ3つもあったんですか?」
咲原の指摘に、徳田がフッと笑う。
「言っただろう?準備をしておくと。一つくらいなら片手間にでも作れるからな。仮眠の後に改造しておいた」
そのうちの一つを杉山に渡しながら徳田が言う。
「杉山、咲原、吉田。お前らが一つずつ持て。大して効き目はないが素手よりはマシだろ」
咲原と吉田は一つずつ取った。杉山も受け取るが、中々しまわず三人を見る。
「どうした?」
「俺、武器はいりません。慣れない武器より格闘戦の方が多分向いてますから」
そう言ってそれを徳田に返した。徳田もそうかと言い、そのまま受け取る。
残りの荷物は懐中電灯と予備電池、工具箱とライターだった。
咲原は少し変だな。と思った。吉田や杉山曰く徳田はタバコは吸わないはずなのだが…なぜライターがあるのだろうか。
「じゃあ、僕の分を見せるね」
吉田が自分のカバンの中身見せる。さっきの改造スタンガンと懐中電灯に加えて、救急セットや錠剤のような医療具も入っていた。
「咲原、お前の荷物はなんだ?」
徳田が聞いた。咲原が自分のカバンを開けて中の荷物を取り出した。といっても、大したものは入ってないのだが。
財布、ケータイ、ポケットWi-Fi、飲みもの、改造スタンガン、懐中電灯…咲原が自分の荷物を次々と取り出した。
「おい、なんだそれは」
徳田が咲原が手に持っていたものを指差して言った。大したものではない。ただの金具箱だ。
「これですか?ピッキング用具ですけど」
え?と徳田が驚いたような顔をする。
「お前、そんなこと出来るのか?」
徳田の疑問に、咲原ははい。と答える。
「徳田さんも出来るでしょう?」
何をそんなに驚いているのだろうか、と咲原は訝しむような顔をした。
「出来ないぞ。普通はそんなの出来ないだろ…」
そうだったのか。今度は咲原が驚いた。
まあ、機械と鍵開けはまた違う技術が必要なのか。
「さて、荷物確認は終わったし、そろそろ行きますか?」
杉山がカバンの中身をしまいながらそう言った。徳田や吉田が特に反対しなかったため、咲原もカバンの中身をしまい始めた。
四人で玄関まで行き靴を履いていると徳田がこっそり咲原に話かけてきた。
「ちなみに、どのくらいまでなら開けられるんだ?」
「多分…電子ロック以外は大体開けられますよ?」
そう言うと徳田は感心したような顔をする。
「すごいな、お前…」
屋敷までは車で行くことにしていた。徳田が用意したものだ。
ワゴン車なので四人で広々と使っている。
「あれから地図を見たんだがな。あの屋敷、どうやら森に入らずともきちんと車道があるみたいだ。森切り拓いて道と屋敷を作ったようだな」
車を運転していた徳田が言った。
「そうなんですか?しっかし、そんなとこに屋敷立てるなんて一帯何がしたいんですかね、その人」
杉山の問いにさあな、と徳田が答える。
「金持ち様の考えだ。俺たちには分からんさ。あいつらは使っても金が使い切れんのだろう」
その言葉咲原の胸がズキっとする。
自分の家のことはまだ話さないでおこう。
それからしばらくして、車は屋敷の敷地の前に着いた。
森の入り口へ入っていく。森の中の道がやたらぐねぐねと奇妙に曲がっているのに咲原は気づいた。
「なんか、やたら曲がりくねってませんか…?」
杉山が少し気分を悪そうにして言った。酔ってしまったのだろう。
「まあ、部外者が簡単に入れないようにしたんだろ」
運転している徳田が返す。その通りだろう。資産家の別荘として用意されているものなら、余り目に付くとこに置くと嫌が応でも関心を集めてしまう。そう言ったことを避けるために、わざとまっすぐな道を作らないようにしたのだ。
「もうすぐだぞ」
前方に屋敷が見えてくる。木々が邪魔して屋根しか見えないが、屋敷はすぐ近くだった。
途中で徳田が車を止める。
そのまま屋敷の前まで行き門を開け敷地内に入った。
吉田の病院と同じように噴水広場があるが、水は止まっており、生えている草木はしばらく放置されていたのか枯れかけ、雑草が至る所に生えていた。
「うっへ〜…豪邸なのに、こうしてみると幽霊屋敷みたいですね」
杉山が不気味そうに言った。辺りを見回しながらも入り口の扉まで近づいていく。少し後から咲原達もついて行った。
その時だった。背後からガタンと音がした。咲原達が振り返ると、門から金属バットを持ったゾンビが一体。こちらへ近づいてくる。
「しまった。見張りのやつがいたのか!」
徳田がスタンガンを構えようとするが、それを手で制した者がいた。杉山だ。
「徳田さん、皆。こいつは俺一人でやります。手を出さないでください」
「なっ…何を言ってるんだ!杉山!」
杉山の言葉に、真っ先に吉田が反応した。咲原も同じだった。仮にも怪我人が一人で戦うなんて無茶だ。
「杉山、これはゲームじゃない。こいつは早く倒さなきゃならない。全員で戦おう」
「そんなこと分かってるよ」
咲原の話を杉山は聞かず、その歩みは止まらない。
「それでも、こいつは俺にやらせてくれ。手出しは無しだ。頼む」
こちらを振り向いた杉山の顔は真剣そのものだった。とてもふざけてるようには思えない。
「わかった。絶対やられるなよ」
「ああ、一撃も受けずに倒してやるぜ」
杉山がゾンビの間合いに入る。杉山が手招きして挑発すると、ゾンビは激昂し、杉山に向けて襲いかかってきた。
ゾンビが金属バットを高く振り上げる。
あんなもので殴られたらただでは済まない。だが、杉山は動かない。
ギリギリまで来てやっとバックステップで躱した。
「杉山!」
咲原が思わず叫ぶ。やはりまだ体調が万全ではないのだろうか。
ゾンビがまたバットで殴りかかる。それも杉山はギリギリで躱した。
「大丈夫だ!」
杉山が一度間合いを取りながらこちらに声をかける。何故か反撃する様子は見えない。
ゾンビもそれに気づいたようで、調子ついて次々とバットを振り回し襲いかかる。杉山は全てそれを紙一重で躱していた。、
「なんであいつ、反撃しないんだ…」
不審に思う咲原に対し、吉田が肩に手を置いた。
「それは僕にも分からない。でも、きっと杉山にも考えがあるんだよ。今は見守ろう」
「でも、まだあいつ怪我も治りきってないのに…」
咲原がスタンガンを強く握る。後で杉山に恨まれてもいい。自分のやるべき事は杉山を助けることじゃないか。その考えが離れなかった。
「ぐおおおおおお!!」
ゾンビの唸りが響き渡る。杉山は既に塀まで追いやられていた。ゾンビがバットを振り上げ、大きく振り下ろした。
「まずい!」
もう我慢出来ない。咲原はスタンガンを振りかぶる。だが、その前にゾンビの動きが止まった。
バットが頭上の木の太い枝に捕らわれたのだ。
この隙を逃す杉山ではない。そのまま杉山がゾンビの頭目掛けて回し蹴りを叩きつける。
ゾンビは衝撃に悶え、狼狽えた。
そのまま杉山は、狼狽えたゾンビの鳩尾を思い切り蹴っ飛ばす。徳田の飛び蹴り以上、咲原の拳の何倍もの威力を誇る凄まじいキックだ。
余りの衝撃にゾンビは大きく後ろに振っ飛ばされ、そのまま地べたへ倒れて動けなくなる。
ゾンビの身体が砂と化しサラサラ、と消えていった。杉山の勝利だ。
「終わったよ」
杉山がこちらへ駆け寄ってきた。特に傷など見当たらない。本当に無傷で勝ってしまった。
「流石、仲山が鍛えてるだけはあるな」
徳田が感心したように言った。
「いやあ、ここに入った時に何か使えそうなものはないかなってずっと探してたからですよ」
なるほど、杉山は最初にここへ入った時点で既に戦う時のことを想定していたのか。格闘バカと言ってしまえばそれまでだが、やはり戦いに関しての杉山のセンスは人一倍高い。
怪我をしていても戦闘力は確かだ。しかし、まだ一つ疑問が残る。
「でも、なんで一人で戦いたがったの?別に無理に一人で戦う必要はなかったよね」
その疑問には吉田が聞いてくれた。それを聞いた杉山が実は…と切り出した。
「あのゾンビ、俺が前に取り逃がした奴だったんだ。俺が倒したゾンビの内、あいつだけはやられた振りをしていて、そのまま不意打ちでやられちまって…」
「だから一人で戦いたかったんだ…」
吉田に対し、うん。と杉山が言った。
「自分の不始末は自分でつけたかったんだ。
だから一人で戦ったんだ。心配かけてごめん」
杉山が三人に詫びた。だが、そのことに不満に思う人間はいなかった。
「大丈夫だよ。でも、屋敷に入る前に一度診せて貰うね?」
吉田が杉山の上着を脱がせて怪我の様子をみる。少しだけ杉山が痛みにうずくまった。
どうやら先程の戦いで傷口が開いていたようだ。
「んーやっぱりあれだけ動けば傷口は開くか…」
吉田が険しい表情をする。杉山は慌てて平気だよ、というが吉田が首を縦に振らず、治療箱から道具と替えの包帯を取り出し手当をし始めた。
吉田の治療が終えるまでの間、咲原と徳田は辺りを見回していた。
特に何も気配がしない。それだけならいいのだが、屋敷にすら何も気配がない。何か不自然だ。
しかし、ここ以外に奴らが何処に潜めるだろうか。
考えすぎだ。あんな怪物を匿う輩がいるとも思えない。そう自分に言い聞かせて咲原は見張りを続けた。
吉田の治療はそう長い時間はかからなかった。10分程で止血や包帯替えも終わらせると終わったよ、と二人に声をかけて来た。
咲原、徳田、吉田、杉山。四人が館の前に並び立つ。
今や怪物の住処と化した館が、大きく口を開けてそびえ立っていた。
その姿にゴクリ、と唾を飲む。
だが、しっかりと作戦通りに咲原が動く。
扉の鍵をこじ開けるのだ。
数分もしないうちに扉はあっさりと開いた。
中に入る。そこは広い玄関ホールだった。
左右に別れて階段が続き、二階、三階と吹き抜けになっている。二階と三階の壁にはそれぞれの部屋の扉が見えた。
一階は玄関から見て左右にそれぞれに大きな扉が存在している。
徳田がこっちだ。と左手にある扉を指差した。
扉を開けると、そこは食堂だった。
大きな長テーブルと椅子が10数個、天井にはシャンデリア、壁には大きな絵がかけてある。何の絵はわからないがそれなりに高価なものなのだろう。
しかし、それよりずっと目について仕方のないものは、テーブルの上にある腐臭を放つ料理だった。
高価なテーブルに載せられた様々なそれは元々は見栄え豊かな料理の数々だったのであろう。
しかし、今や腐りきって見る影もない。
余りの臭いに全員が顔をしかめた。杉山に至っては後ろ歩きで部屋からすぐ遠ざかってしまう。
「おい、逃げるな」
徳田が杉山を窘める。しかし杉山は首を振って拒否する。
「酷いね…真夏とは言え一日や二日じゃこうらならないはず」
吉田が鼻に手を抑えながらもテーブルに近づいて言った。
確かに、既に臭いだけでなく変色してしまっているものばかりだ。
「ゾンビっていうのは随分趣味の悪い食生活送ってるんですね…。身体も腐ってれば食べるものも腐ってるのかよ…」
杉山がそうこぼすが、吉田はいや、と首を振った。
「その割にはどれもほとんど手をつけられていないよ。多分、ゾンビもこれを食べてるわけじゃなくて、単純に放置されてるだけだと思う」
吉田の推測に咲原も同意した。腐っていることにばかり気を取られてしまったが、空気の淀みやテーブルにわずかだが埃が積もっている。
この部屋はしばらく利用されていないのだろう。
最も、それならばそれでまた一つ疑問点も浮かんでしまうが。
「じゃあ、なんでわざわざこんな料理が用意されてるだろ。なあ?咲原」
杉山の言葉に咲原もああ、と頷く。
丁度咲原も疑問に思っていたところだ。これを誰が、一体何のために用意したのだろうか。
「とりあえず、ここには手がかりがないということは確かだな。行くぞ」
徳田がそう言って踵を返す。咲原達もついていき玄関ホールまで戻った。
今度は右の扉へ行く。扉を開けると、目に入るのはシャンデリアやソファとテーブル、調度品などだった。
「応接間か」
徳田が呟いた。テーブルやソファに埃が積もっている。
ここもハズレのようだ。
「ここもおそらく探しても無駄だと思います。どうしますか?」
「時間がない。とっとと上に行くぞ」
咲原の問いに答え、徳田はすぐに階段まで向かう。それに続いて咲原達も階段までついて行った。
踊り場で徳田が一度止まる。
「このまま固まって探してもラチがあかない。二階と三階で二手に分かれるぞ」
「二手に?」
杉山が首を傾げた。
「ああ、だからお前と吉田は三階へ行ってくれ。咲原、お前は俺とだ」
徳田の言葉で二手に分かれ、咲原と徳田は二階を、杉山と吉田は三階へ向かった。
二階の部屋は全てビジネスホテルの客室のような部屋だった。ベッド、机、椅子、テレビ等必要最低限のものは揃っている。しかし、それ以上は何もない普通の部屋だ。
そのうちのほとんどに、かばんやリュック等の荷物が置かれており、来客があることは明らかだった。
最後の部屋を見回している時、携帯が鳴った。
杉山だ。画面には一度下に戻って欲しいとメッセージが表示されていた。
徳田にもその旨を伝え、二人で下へ戻る。
一階へ行くと、杉山達が応接間で待っていた。
「どうしたんだ?急に呼び出して」
何かあったのだろうか。まさか、ゾンビに襲撃でもされたのか。
「面白いものを見つけたんだよ」
そう言って杉山が取り出したのは一冊の古い本だった。
ぽん、とテーブルにそれを置く。近づいてみてみると、どうやら革製の本のようだ。留め具には白い骨のようなものが使われている。
何の動物のものだろうか。咲原の自宅にも古い本はいくつかあるが、どれとも似つかない。
「なんだ、この本は」
徳田が触れようとすると、杉山がそれを手で制した。
「触らない方がいいです。この本、かなりやばいものみたいなので」
杉山がそう言うと、吉田が続ける
「はい。僕も少しこの本を調べてみたんですが、この本に使われてる皮や留め具、人間のものと酷似しております」
人間の皮や骨。吉田は確かにそう言った。
どういうことなのだろうか。一体誰が、どんな目的でそんなものを材料に…。
「まずこれをみてください」
吉田が取り出した携帯の写真には、パソコンに書きかけと思われるブログのページが表示されていた。
「このブログはこの家の人が書いていたものです」
つまり、黒須隆弘のブログだ。
「この中にこの本について書いてありました。これは魔道書、つまり魔術について書いてある手引書のようなものらしいです」
吉田の言葉を聞き、咲原は思わず俯いてしまう。
魔道書。創作の世界ならばともかく、本当にそんなものが存在するのか。
徳田がふん、と鼻を鳴らした。
「本当にそれは魔道書なのか?そいつは金持ちのオカルトマニアなんだろう。眉唾物を騙されて買った、という可能性も否定出来んぞ」
僕達も最初はそう思いました、と吉田が返す。
「ただ、その本があった部屋はまるで嵐の後のような荒らされ方で、明らかにただ事ではない雰囲気でした。それに、その本の間にはこんなメモまで」
吉田が取り出したのは小さなメモだった。
咲原が受け取り中を見ると、呪文のような文字が書かれている。
「そこで何があったかまではわかりません。
でも、その本に書いてある呪文が、今回の事件の原因なのかもしれません」
「ああ、おそらくそうなのだろうな」
徳田も頷く。
「とにかく、これは俺が持っておく。
探索を続けよう。戻る時に新しく部屋を見つけたんだ」
徳田はカバンに本を入れると、見つけたという部屋へ歩き出した。
たどり着いたのは、階段下にある物置のような部屋だった。
あまり広くはない。六畳くらいだろうか。しかし、この部屋にはたしかに最近何者かが出入りしたような気配があった。
「あと探してない場所はここくらいだ。
何かしらあるはずなんだが…」
徳田がそうぼやきながら倉庫を漁る。
しかし、探しても非常食や水の備蓄、予備の毛布等があるくらいで、めぼしいものは見当たらない。
さっきの気配は何だったのだろうか…。
そんな時だった。部屋の隅の床に開き戸のような物があるのに気づく。
近づいてよく見ると、取っ手のようなものまで発見した。
「皆、こっちへ来てください」
三人がどうした?と近づいてくる。
咲原が指差したそれを見ると、三人ともおおっと歓声をあげた。
「これ、多分地下室への扉だよね」
吉田がそう言うと、徳田もああ、と頷く。
「おそらく、この下に奴らは潜んでいるだろう」
その言葉に、咲原の心が引き締まる。
杉山と吉田もそのようだった。全員、これから起こる戦いを想像しているのだろう。
「さて、お前ら。ここを下れば奴らとの一騎打ちだ。全員、覚悟はいいか」
三人が無言ながらも頷いた。
「行くぞ」
徳田が取っ手を掴む。
地下を続く階段は、不気味な風と腐臭を運んでいた。
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