第24話未定
この件に於いて結論から言えば、件の偽の神が権利を返上した理由はシステムとは関係無く元から持つ能力のとの関係上、この世界の奴の援助を受けている必要性が無く成って居たから。と言う物だ。つまり、先の上げた問題のメンテとアプデを自前で出来る能力持ちで有る為、一度自前の世界を得てしまえばこの世界の奴らにその後も継続的に件の偽の神が協力して居る必要が無かった為だ。……自分の強化の上での参考データに成るかと期待していたが、アレだ。要はそうする事で起きる問題点を解決出来る自前の能力持ちなので、そうしても問題なかっただけなのだ。だから、期待していた方面のデータは得られなかった事に成る。システムを脱却したと言うよりも、システムの補助が必要無く成ったからシステムを返上しただけで、補助で得られる力を自前で出来る様にすればシステムなんて必要無いしと言う身も蓋も無い回答なのだから、そんなの自己鍛錬している内に言われなくてもやって居たで有ろう内容だし……。それこそ世界を丸ごと回収でもしないと意味が無い訳だが、……流石にそれはまだ今の俺には身に余るレベルの話だ。……メンテ出来るなら世界を壊しても直す手間を与えるだけで意味無いし……。メンテアプデ出来ないなら壊してはいお終い、に、しようと考えていたので正直な話アレな事に成っているな……。
「信じる者だけが天国に行けます」
……。信じる事が通行証に成る場所、ねぇ?認識上は無いから目指しすらしないだけだろう。天使とかが信じる者だけ連れていくようにして居るだけかもしれないが。
「信じる者は救われる」
……。信じる者は(足元を)掬われる。とも言うな。
「右頬を叩かれたら左頬を差し出しなさい」
……。てめえとは違う格を思い知らせる?それは殴りたいだけの奴に対してはただ殴られに行くだけだ。
「虫や草花にも命は有る。故に殺したら地獄行き」
それだと天国に行ける奴は幼子を除くと極めて少数なのですが、それを信じるとか夢が無いな。
「宝くじは買ってもそうは当たらない。でも、買わなければ当たる可能性すら無い」
宝くじは買う事で夢を買う物だ。そうでも無いと当てられなかった時がアレだと思う。
暫く更に問答が続く。都合の良い幻想を信じていない訳じゃ無い。そう言う願望が皆無な訳じゃ無い。けれど、天国に行くための条件が厳し過ぎたり、天国を創った奴には天国でも、他の趣向の奴には天国じゃ無かったり、誰かの専用の天国を万人共通の天国でしょうと押し付けたりされるような物か。いや、三大欲求を万遍無く満たす奴なら普通に問題は無いだろうけども。てめえにしたら天国だとしても、それが全員にとっての天国だとは限らない。……万人受けする事を避けて、システムを返上して、個人で運用している世界を持つ奴が万人受けを語るのはアレでは無いだろうか?それが万人受けするならそもそも個人でやらずとも良かった訳なのだから。だから、言おう。
「自分とその信者にしたら天国と言うだけの物で良いとしたからシステムを返上したのだろう?万人受けする天国が自分にとっての天国ならシステムを返上して力を失う事までしてやる必要なんて無い物な」
「万人にとっての天国。それはつまり主義主張や善悪を考慮せずに天国と言える場所でなければならない。そう言う物は要らない」
「……ふむ。犯罪者は内部から弾くとしても、主義主張を考慮せずに其処が天国と言えなければならない、か……だがそれは一つしか世界を創らないならでは無いか?」
色々なパターンに対応した世界を作れば解決出来るはずだ。
「それで分けたとしても、分けた後に其処に戦争を仕掛けては意味が無い」
「……そうしても、其処との間で宗教戦争とか思想対立的な意味での物はしては意味が無い、と。自分と相容れない思想を許容しろ、と言うのか?」
「沢山世界を造り棲み分けさせる側がそれを出来ないとその形式自体が成立しない」
「……そんなの他の思想がどうであれどうでもよく成らないと無理じゃ無いか」
「だから、そんなに多い数の世界を創る力なんて必要無い」
「……それは他の世界を考慮し無くて良いならば、の話です。それなら自分よりも弱い奴しか世界内に作らなければ幾ら自分が弱かろうが世界内での最強を名乗れますが、他の世界を考慮するならそうは成りませんから、例えば他の世界からの侵略者が来たら簡単にその理屈は崩れます」
『それが原則的に出来なくすれば良い。出来るだろ?君も』
「……つまり鎖国するのが前提の世界、ですか」
『万人受けを捨てているのだし、その天国に敵対心を持つ奴だってそれなりに居るだろう』
「……そう言う層は捨てる、と」
『それで起きる戦争は只の住み分けすら許さない馬鹿が居ると言うだけの話だ』
「敵対者側だけ天国に居たらそりゃあ不満も出ると思いますが」
『創作に於いては何でもかんでも自分の思い通りの作品が見たいなら自分で作品を創れと言う思想と同じだ。他の誰かに取っての天国が不満なら自分で創れ』
「……それで創れるなら他人に自分の思い通りの世界を創れとは言わないと思いますが」
『そもそも万人受けを捨てて居る以上、自分に取っての改善意見しか聞く気はない』
「……」
総意としての良い場所を創るのを放棄する事で、自分に取っての最高な場所を創る、か。
『君はどうするのかね?どんな主義主張の奴でも犯罪をして無いなら万遍無く天国に行かせる考えを維持するのか?』
「……異世界の事を考えると自分に取っての最高な場所を創ると言うだけでは他に崩されるだけです。もし自分の願望の全てを満たせるだけの場所を創れたとしても、創造主は自分だけでは無いのですから、自衛の為にはそれだけではない力は必要です。下手すると選民思想に成りかねないですが、自分には誰がどんな思想を持とうが万遍無く天国に連れて行くのは出来そうに有りませんが、賛同して独立するには今の自分では力が足りないですから」
『……そうか、残念だ。ではどうする?私を殺すかね?』
「理解は出来ますが自分の力量的にそうするのは賛同出来ない。と言う奴なので、仮に殺せる力が自分に有ろうと、貴方を殺す気は無くなりました。なので、帰ります」
『では、さらばだ』
そして俺は帰る事にした。
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