第22話未定
……まあ、アレだ。一先ず宇宙の化身をヴィシュヌ様に引き合わせよう。ついでに神格の事についても聞きたいし。
「そう言えばヴィシュヌ様に引き合わせたいのだが、何て名前だと紹介すれば良い?」
「では
「解った。なら分体の所に行こうか」
そしてヴィシュヌ様に取り次いで貰い、話す事にする。
「……まあ、正直な話予想以上の戦果で有ろう。水霧浄土」
「……まあ、俺もそうだと思いますけど、色々と聞きたい事が有るのですよね」
「まあ、何が聞きたいかは聞かなくとも大体解るが、……しかし、宇宙の化身、か」
「六合一です今回はお目通りさせて貰い感謝ですわ」
「……手順を踏んだのは評価しようじゃ無いか。もっともそれをしなくともあんたなら此方に干渉出来ただろうけど」
「別にヴィシュヌ様と戦いたい訳では有りませんので」
「……まあ、前提と成る概念的にそうなるか。それでどんな要件だ?」
「ヴィシュヌ様は世界を再構築で再誕させられますよね?それで取り除いて欲しい物が有ります」
「ほう。要するに汝の創り主による汝へのセーフティーを俺にはずせ、と。それで何をする気かにもよるな」
「……幾ら力を持とうがこのままでは只の奴隷ですので、どうか」
「別に出来なくは無いが、する理由は無いな。それをしたら俺はその創り主と敵対も有り得る訳で、最低限そうする上でのメリットを提示して貰わないと」
「……では何を出せば納得しますか?」
「最低限の汝の自由は保障するが、再誕させる世界の中で此方の自由にやらせろ」
「……つまり、最大限に永続的に接待しろと言う事ですか?それくらいなら良いでしょう。出来ないことも当然有りますけども」
「まあ、此方とてそう出来たとしても其処にずっと入り浸る訳では無い。故に定期的に此方の接待をしろ、と言うだけで良いだろう」
「その際に此方の世界の問題も解決してくださるのなら良いでしょう」
「……それだと要は只の仕事の成功報酬が毎回別途に払われるだけに成るが、永続的になら、それくらいの利益幅でも十分な金額には成るか」
……まあ、これはヴィシュヌ様が不利な条件で契約して居る様に見えるが、……世界一つ分のリソースを大した問題無く運用出来るのだから、利益は十分に出ているだろう。六合一側も定期的な接待=定期的な世界への来訪。と解釈するなら、世界その物が詰む展開に成ってもヴィシュヌ様が来る時まで凌げば希望が残るだろうし。そして話がさらに煮詰められて行く。……俺も神格について聞きたいことが有るのだが、これは暫くかかるな……。
☩
そしてヴィシュヌ様と六合一の話し合いが終わり、此方が質問を始める事にする。
「単刀直入に聞くと、神格の入手手段は何ですか?」
「該当の神の神話再現を自力だけで一定回数行う事。それは大抵の場合一度や二度じゃ無いがね」
「……一度で良いのでは無いのですか?」
……そう言えば隕石群を大量に投げ返しするのをしまくったばかりだな。
「それだけでなく自力でと言うのも重要だ。……で無いとサポート系バフガン積みで九割九分九厘介護された上で出来ても神格を得られる事に成る。フェンリルの神格崩しとはそれで言う達成回数認定カウントを減らす事に成る」
「如何にもゲーム的ですね」
「ゲームと言うよりも、マグレでの達成じゃ無くて、それは何度だってやれると言う事を証明する事の意味合いの方が大きい。偶然で宝くじが当たった。だから、俺は宝くじを何度でも当てられる……とは成らない的な感じで有ろう」
「要は神格を得たければ神話の所業を簡単に何度でもやれるようになれ、と。……それだと該当の神格を得た時にはもう神格元の神より既に強く成って居る迄有り得る条件ですよね」
「自力でと言う条件付きな代わりにそれを達成する為の手段側の判定は余り厳しくは無いから、そういう意味では割と条件は緩い訳だがね」
「……それは良いとして追加で質問なのですけど、分体に出したアレは何がいけなかったのですかね……」
「ああ、拳部分以外只の水の巨人だったあれか?巨人側を崩せばある程度なら攻撃を逸らせるであろうし、単に火力が有ろうとも逸らされただけでは無いかな」
「アレは攻撃の核を相手に当てる為の手段が水の巨人の拳に力を宿して殴らせると言うだけなのですから、巨人要素は巨人が殴ると言う見栄え以外の意味あんまり無いのですけど。むしろ普通に壊されるのは仕様的に狙い通りのはずだったのですけど」
「なら答えは簡単だろう。先に治されたのだよ。汝の攻撃は」
「……クソ」
エネルギー的な破壊をしてそれを治すシステムに相手を巻き込む事を攻撃としていたのを応手として事前にエネルギーを遍く満たす事で即終了させられた訳だ。なら要はあの分体が受けた攻撃は実質巨人に殴られた分だけだろう。……確かにそれくらいなら耐えるよな……。
「……ヴィシュヌ様……恐らく初見で相手の攻撃に回復技を撃つ方居る事自体がネタバレを先にされてなければ可笑しいと思うのは気のせいでしょうか?」
「……それはそうだが、攻撃の仕組みを見破ればやれなくは無いのでは無いかな」
「……つまりは、即座に見抜く観察眼が有るから対処出来ますって言う事ですか?」
「ステータスが高いから対処出来ますと言う理屈を認めないパターンで有ろうか?」
「ヴィシュヌ様……それだとステータスが高ければ突破出来る事に成りますし。……いや、只のゴリ押し勝利をされでもしない限り対処されないと言う意味に成るから良いのでしょうか?」
「初見殺しが毎回通じる判定扱いもどうかと思うが」
「……でも普通なら攻撃に対して反撃するなり防御するなりで対抗して来るでしょう?」
「水霧……つまり回復技こそが対応手段だと知らなければやる訳無いだろ、と?アンデッド扱いされたら話は別だが、汝は回復技でダメージを受ける様なアンデッド系の奴で無かろうな?」
「それは違いますから問題無いですが……そうか、対アンデッド扱いされたら応手で回復技も有り得るか……なら同じ相手には何回も使えないか……ん?話を戻しますが、神格を得る上で、自力でやれと言う奴の道具使用は有りですか?無しですか?」
「最初から道具使用を前提とした奴は有り。それ以外は無理」
「ヴィシュヌ様……その理屈的に道具が有りなら、戦争国とかで大規模破壊出来る爆弾投下で道具を使い大量破壊を起こす系の神話は簡単に出来てしまうじゃ無いですか」
「要はそう言う抜け道が皆無なルールでは無いと言うだけだろう。それに仮に一項目だけそれで出来ても地力が無ければ道具未使用側の他の条件を満たせずに神格など得られぬ」
「要は神話が何らかの道具使用に全振りの神格なら比較的簡単に到達可能ですね、畜生が」
「神格を得る事での補助が得られるのがそう言う事例ではむしろメイン目的で有るな」
「……いや、もしこれが有りのままならこの先神格を得ているのが前提と成る戦いが起きても、それなら神格持ちを養殖出来る?……いや、それは相手側にも言える事で……だが、しかし……」
「水霧、勘違いして居る様だから訂正すると、神格とは、そうだな、定期更新の必要な免許みたいな物だ。故に大量破壊兵器でどうにかこうにかするのを大量生産なんてしても更新を考えるとコストが掛かり過ぎる。それの更新には補助の使用は禁止だしな」
「つまり、不正所有者や不正取得者にはペナルティーが存在する……と言う事ですか?」
「あくまでもシステムが管理するエネルギーを複製して似たのを得たのなら、それも追加でシステムの管理下に成るだけだからね。故に神格を参考に完全に別物を得るパターンは対象外だが、それはしょうがないね」
「……つまり、相手の能力を強化して習得する系の事はスルーですか?」
「それはその該当の神格の内容を基盤にして居るのならアウトだ」
「融通効きませんね……」
「神格の不正取得者潰しのためのルールなのでな」
「……」
……そう言えば相手は創造主なのだ。此方が何かシステムの抜け道を見付けてもそれをヴィシュヌ様に話してはそれが出来ない様に修正されるだけだろう。……やらかしたか、これは。
「あ、そうそう、アドバイスとしては創作でたまに扱われるネタだが、インパクトの瞬間迄攻撃の種類が解らない様にさせての相手の対処ミスを狙うと言うのも有りで有ろう」
「……なるほど。つまり、違う理屈の似た見た目の攻撃を追加で扱い、両方を相手に見せて攻撃の内容の種類が解らなく成る様にさせ、解る頃には相手の対処を間に合わなくさせる、ですか。なら壊れる事が前提では無い奴も合わせて作れば良い訳ですね。それならやれそうです。まあ、なら両面待ちをされない様に回復技受けたら都合が良い奴にします」
「それは良いとして、神格の不正取得のデメリットを聞かないで良いのか?」
「……得るための条件なんて幾ら難しくしても詐欺取得する奴は居るでしょうが、得る事で、デメリットが発生する類の奴ってどうせアレでしょう?正規取得者なら有る物が不正取得者には無い。故のデメリットと言う奴。此処で言うなら神格を得るに相応しい証明の有無でしょうかね。早い話をすれば、即座に免許取り消し検案だ。それが自力で取得出来る奴は自力でやれているのだからそう言うのが有るとしても問題無いでしょうけど」
「まあ、システムが与えて居る力か又はそれと類似した物なら、システムがどうにでも出来るのは間違いでは無いが、それだけではなく不正取得者が不正取得に使った力も回収だ。そうしないと再犯されるだけだからな」
「そんな事出来ます?」
「システムで神格を得る事でメリットを感じる範疇の奴側なら普通に可能だろう」
「……流石に横暴でしょうが」
「つまり、名前とか少しでも変えたら他は全く同じ物でもセーフとか主張するタイプか?だから多少の誤差はシステムには考慮されない。そうでも無いとシステムから得たエネルギーを再錬成するだけでシステムから逃れられる。そんな仕組みだと流石に取られ放題だ」
「……言いたい事は解るのですが……融通が利くのか利かないのか微妙ですね」
「神話再現を神話そのままにやれと言わないのはかなり融通を利かしていると思うのだが」
「……まあ、それはそうですけど……あ、そう言えば所有出来る神格数に制限とか有りますか?」
「有ると言えば有るし、無いと言えば無い」
「はい?」
「神格統合が有るから仮に神格所有数限界が有っても複合的な万能神格は狙えるからだ」
「……ああ、そう言う……。手法次第で無視出来る制限でしか無い訳ですか」
……ん?つまり、手法次第で対策を無視出来る?えーとなら先の奴は、二つを単体で扱うのではなく、複合的な攻撃として扱う。つまり、相手の対処方法論次第で効果が変わる攻撃と言うのが出来れば良い訳だ。……まあ、二つの攻撃を一つの中に込めるのだから使用コスト的な意味で二倍に成るが、片方だけのつまり、一倍消費ではそもそも防がれる前提ならしょうがないか。コスト的に相手も二倍コストを掛ければ防げる?そりゃあそうだ。だがそれを言い出すと何かしらの対策の存在する攻撃全般が適切な対処をすれば良い、だけで話が終わる。うーん。だがそれだけだと一度破られたら後は同じ対処をするだけでアレだから、最低限三種四種以上の物を別々に組み合わせても同じに見えるようにしよう。その内一つでも通ればよしと言う意味で。コストが更に嵩む?だがどれか一つが通れば良い形式な訳だし、攻撃が通る可能性は高い。まあ、見破る方法論を崩せる様にしないとコストを馬鹿食いするだけで終わるし、最悪対処として回避に全振りされてもアレだ。まあ、大量に一つの攻撃に盛るならそうはさせないための奴も当然盛るつもりだが。
「それはともかく今回の話に此方が応じた理由についてだが、世界にシミュレーターを組み込むそれ自体は劣化版ならVRでも出来る事では有る……が、だ。此方に水霧達への嘆願書がある程度来ている。曰く、シミュレーターの内容を水霧達が保管して置かない様にして欲しい。と言う物だ」
「……そうすると要は防犯カメラを無くせと言うのと変わりませんが」
「正確には入力したパーソナルデータをデータとして残して置くなと言う事だ……シミュレーターの中で性行為を現実と同じようにしたいならパーソナルデータもシミュレーター内に入れないと完全に同じには無理だからな。それこそ性器の形とかも」
「……意図は解りますが、前に只のシミュレーターで似たのを運用した時は使用者が寝ぼけるか何かでシミュレーターをやって居るつもりでの誤爆で犯罪が増えたのですよ。その時は最終的にはシミュレーターを使った上で犯罪をしたら刑罰上乗せする形式にしましたけど」
「待て、話が飛躍して居る」
「ああ、そうですね。ですが、ヴィシュヌ様はそもそも全部見られるならその辺りの事情も把握して居るはずですが?」
「見られる権利が有るからと全部見て居る訳では無い」
「なら流れの概要を言いますが、ある事件で高性能シミュレーターを得ました。対価を払わせて皆に使わせました。使って無い時に使って居ると誤認して犯罪を起こす奴が出ました。対応手段としてシミュレーターでやれる事を制限しました。すると犯罪しないから元通りに使わせろと嘆願書が沢山出ました。なので、犯罪した事をシミュレーターを使った上ですると犯罪の刑罰の上乗せをしましょうと言う事に成りました」
「……つまりは、犯罪の言い訳に成るから、そうするなら刑罰上乗せにしますとした訳か。まあ、国のトップが身内ならそれはやれるか」
「こうしないとシミュレーターが犯罪の原因呼ばわりされますので、必要な処置です。最低限使用者で有ると言う事を此方は把握して居る必要が有るのですから」
「減刑の為に別の物が原因だと主張するのは良く有るが、むしろそれをすると刑罰が上乗せに成る様にしたのか」
「使用者にはその契約の上でシミュレーターを使わせますので」
「フハハ。そう言う事なら解った。此方からそう言う事だと説明しておこう。……まあ、アレだ。こういう事例が有ると言う事はそう言う奴が出たら同じ事に成ると言う事も言い含めておこうかね」
「そう言う事でお願いします」
「只一つだけ追加で聞くならば、パーソナルデータを出したくないなら要は精密な性行為に拘らなければ済む話なのじゃ無いのか?と言う事だが」
「結局はそれなのですけどね。……まあ、追加で言うならその入力時に他の人のパーソナルデータを入力して疑似体験出来るようにするのも色々とアレなのですけど。……精密なそれが有れば同人誌に在る様な特定の奴の体を手に入れるのが疑似的に出来る訳ですし、パーソナルデータを入力する機能自体が使用者依存だとアレなのですが」
「それならそのパーソナルデータは処分すべきだろう。運営側はそれが出来ると言う事なのだから」
「まあ、そうですね。システム上毎回の手間を増やしてでもデータ保存を極力最低限にするとかやりようは有りますが、そもそもアバターを創ってそれだけでシミュレーターを楽しんで居るだけならば此方がパーソナルデータを悪用も何もやりようも無いのですけど」
「……それは駄目だろう」
「それの是非はともかくとして、情報流失なんてネットにはざらに有りますよ。入力しなくても楽しめる物に対してわざわざ追加で入力して置いてそのデータを消せと言われましても、ですけど。何処のそれだとは言いませんが、企業なんて色々とそう言う物を利用して居るでしょう?この件だけがそれが駄目だと言われましても、色々と入力が必要な会員登録の代わりにゲーム内通貨をプレゼントなんて手法をやる企業がどれだけ有ると思います?」
「……他が赤信号を渡って居れば赤信号を渡っても良いのか?」
「創作に於いては少数が真似るとパクリで大勢が真似るとジャンルらしいですし、その理屈が正しいなら大勢がやると赤信号も青信号に成りますよ」
「……はぁ……此処は普通なら殺す所だが、それで殺すには殺すべき相手が多すぎるか」
「いや、俺は一般論を言っただけですよ?」
「それが一般論として成り立つ現状がムカつくが、此処で手前を殺した所でどうにもならん。それが駄目なら極論創作に同じ言語を使うのもアレに成るのは確かな訳だし。まあ、大勢がやればパクリがジャンルの物をやるのに代わるのは納得行かんがさ」
「……ヴィシュヌ様。そう言えば神格所有のメリットって何ですか?」
「例を挙げるなら、価値の保証だな。能力の行使関連に対してのデバフ系が効きにくく成る」
「……ええと、つまり、能力関連へのデバフの無効化、ですか?神格と言う割にはショボいのでは?」
「デバフガン積みされて碌に攻撃が通らないと言うパターンを潰せるのがそんなに要らないか?」
「ああ、意味が解りました。つまりは神格に属する物をどの様なパターンでも普通に扱えるようにする事がメインの物ですか。補助としては確かに良いですけど、それだと道具を使って無理矢理条件満たして補助側の単体狙いでわざわざ狙う様な物では無いですよね。その保証が仮に攻撃に対する防御に対しても効くなら防御貫通性能にも化ける気もしますが」
「防御貫通性能が要らないと?それを防御に使えば大抵の攻撃を度外視出来るのに?」
「……ああ、把握しました。つまり、神格持ちには神格を持つ奴じゃ無いと神格の保護で碌にダメージが入らないし、同時に攻撃を防げない訳ですか。……デバフの定義が広すぎますが、では神格持ち同士がぶつかるとどうなりますか?」
「基本的には神格の所有数が多い方が優先。但し、神格の格も考慮が必要だ」
「長々とお話し頂きありがとうございます。そろそろお暇したいのですが」
「なら最後に一先ずシミュレーターについては今のままにするが、問題起きよう物なら介入するのでそのつもりで居る事だな」
「承知しました。それでは失礼します」
そして俺はその場を後にした。
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